米リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS & CO.以下、リーバイス)が15%の人員削減を行う方針を固めた。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、将来を見据えた事業戦略上で厳しい決断を強いられた。
およそ4667人の従業員を抱える同社は、マーケティングやデジタル化、リテール事業への資金投入を継続するため、世界で約700人の削減に踏み切る。これにより年間で1億ドル(約107億円)の経費削減が見込める。特に、製品ラインアップや卸事業の縮小に伴い、デザイナー職を削減する。
3〜5月(第2四半)期決算で売上高が急減したことを受けて、チップ・バーグ(Chip Bergh)最高経営責任者(CEO)は「特に難しい決断となるが、ビジネスの縮小はこの危機を乗り越える上で避けて通れない。回復するのはまだ先になるだろう」とコメントした。
バーグCEOは、「経済をコントロールするのは不可能だ。ウイルスそのものや、ウイルスの感染拡大についても同様だ。感染拡大の第2波が来るかどうかもわからない。だから私はコントロール可能なものに集中する」と話した。
ハーミット・シン(Harmit Singh)=エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼最高財務責任者(CFO)によると、同社はロックダウン期間中に1億6000万ドル(約171億円)の現金を失ったが、新たな社債を発行することで流動資本を20億ドル(約2140億円)にまで増やした。シンCFOは「リーバイスには、仮に店舗が再度休業を強いられたとしても、この先1年以上を生き抜くだけの十分な現金がある」とコメントした。
リーバイスの3〜5月期決算は前年同期比62.1%減の4億9750万ドル(約532億円)で、純損益は前年同期の2820万ドル(約30億円)の黒字から税引前事業再編費2億4200万ドル(約259億円)を含む3億6350万ドル(約388億円)に転落した。
「3〜5月期はとても厳しい結果になると知っていたが、実際は予想以上だった」とバーグCEOはコメントした。