ファッション

イエナの2020-21年秋冬 気心地ゆったりでも“きちんと”見えるモノトーンスタイル

 イエナ(IENA)の2020-21年秋冬は、快適さや心地よさを意味する“コンフィ”からイメージを広げ、ゆったりとしたサイズ感のアイテム同士を合わせたコーディネートを提案する。特に8~9月の秋物商材投入時期には、身体を包み込むようなオーバーサイズのニットワンピースやワイドパンツ、肌ざわりのよいサテンスカートやカットソーなどをキーアイテムとして展開する。イタリアのテキスタイルメーカー、マンテコ(MANTECO)社のウールを使った上質な素材感と4万円台の価格で昨年大人気だったロングコートは、さらに色と素材のバリエーションを持って打ち出す。

 コーディネートのカラートーンは、イエナで定番のブラウンやベージュに加え、新たにトレンドカラーとしてそろえるグレーなどで統一。差し色や柄としてパープルやレオパードのバッグを合わせたり、「ローラ ロンバルディ(LAURA LOMBARDI)」のゴールドのアクセサリーを重ねたりすることで、単調になりがちな無地のコーディネートにアクセントを付ける。

 10月頃から投入予定の冬ものに関しては、“自宅で洗えるニット”や“鮮やかな色味”をキーワードにこれから商品をそろえていく予定だ。

 今シーズンのテーマに関して、望月恵ディレクターは「当初は“コンフィ”というキーワードにリッチ&クラシックのムードを加えた提案を予定していた」というが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、急きょアイテム編成やコーディネートを着る人自身が心地よく感じられるような内容に変更した。イエナでは、もともと定番商品の人気が根強く、全体の売り上げこそ「前年割れ」しているというが、コートやニットなど通期で販売している商品が多いことが“ベーシックに強い”イエナの売り上げを下支えしているという。在宅の時間が増えて「装う意味や役割が、社会的にも変化していく」として今後は、「定番アイテムを用いつつも、シーズン制のある新しい解釈を盛り込んだ提案で、ファッションの楽しさを届けていきたい」と語る。

村上杏理:1986年、北海道生まれ。大学で日本美術史を専攻し、2009年にINFASパブリケーションズ入社。「WWDジャパン」記者として、東京のファッション・ウイークやセレクトショップ、販売員取材などを担当。16年からフリーランスで、ファッションやライフスタイル、アートの記事執筆・カタログなどを手掛ける。1女児の母

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