「SK-II」が、サステナブル活動の取り組みを強化する。この夏には森林管理協議会の認定を得た、竹素材パルプのパッケージを使ったトライアルキットの販売を予定。また、今秋からは購入した「SK-Ⅱ」商品の空ボトルを顧客が小売店の店頭に持ち込み返却する、ボトルリサイクルの試験導入を目指す。
「SK-II」を展開するP&Gグループは以前からサステナビリティに積極的な企業だ。日本で「SK-Ⅱ」製品を生産する滋賀工場はその代表的な施設で、2013年に生産拠点から出る廃棄物の単純埋め立て処理をなくす“埋め立て廃棄物ゼロ”を達成。さらに19年には生産体制拡大に伴い工場を拡張しつつ、使われる水を全て再利用する排水循環テクノロジーを、世界のP&G工場に先駆けて取り入れている。
これまでも積極的に取り組んでいた活動を今このタイミングで強化する理由の一つとして、サンディープ・セス(Sandeep Seth)SK-IIグローバルCEOは新型コロナウイルスの感染拡大を挙げる。「今回のパンデミックは誰もが予想できなかった状況で、今まで持っていたものの見方を変えないといけない時期に来ている。また、意識を変える中で、地球環境をいかに良くできるかは、各企業や消費者に求められてくるだろう。そしてそれは私たち企業が率先して取り組むべきだ」。その一環として、前述の滋賀工場では医療従事者向けのマスクの生産を開始している。
特徴的なのは、このサステナブル活動を長年のキャンペーン活動「運命を、変えよう。〜♯changedestiny〜」のフレーズを使い行うことだ。「『#changedestiny〜』は、みずからの意志で運命は変えることができると信じ、その運命を変えていくことを応援しているが、私たちの身の回りや環境もその一部であると考えている。また、ブランドとしてはサステナビリティに対し、社会的責任と環境的責任を果たしたいと思っているが、サステナビリティの実現は、消費者の協力がないと成り立たない。『SK-II』はサステナブル活動を消費者のコミュニティーに絡め、消費者の行動を変えていく手助けをしていくつもりだ」とセスCEOは語った。