新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オンライン接客に注目が集まるビューティ業界だが、成功するためには何が必要なのか。アイスタイルと、同社と業務提携を結んだ(既報7月9日号)バニッシュ・スタンダードの両社長に話を聞いた。(この記事はWWDビューティ2020年7月23・30日合併号からの抜粋です)
WWDビューティ(以下、WWD):業務提携のきっかけは?
吉松徹郎アイスタイル社長(以下、吉松):新型コロナウイルス感染拡大の影響と思われやすいけれど、実は去年から話が進んでいた。オンライン接客が注目を浴びている今、こういう発表ができたのは追い風かなと思う。美容部員(以下、BA)という「人で売る」コンセプトは僕たちも数年前からトライしていたけれど、バニッシュ・スタンダードは頭一つも二つも抜けていたので、これは組むしかないと思った。
WWD:ファッションでのノウハウはそのままビューティに生かせると思うか。
小野里寧晃バニッシュ・スタンダード社長(以下、小野里):ファッションはコーディネートの写真が提案の結論になるが、コスメはメイク後、スキンケア後のビジュアルを見ても過程を見ないとわからないことが多く、きちんと過程を見せるデジタル接客を追求していく必要がある。でも僕は、スタッフコマースはビューティ業界でもハマると思っている。「憧れ」から「共感」になりすぎた平成は、ユーザーレビューが多すぎてスパムのようになってしまった。令和の時代は、プロフェッショナルであるBAのコメントやアドバイスが求められると思う。単なる通販や自動販売機でコスメを買うのは難しい。結論で買えないものだから。
吉松:結論で買えないものというのは納得で、良いキーワード。以前から「人から買う」という話はずっと言っているが、化粧品では成功が見えにくかった。でも、背景からユーザーに伝えるD2Cブランドが成功している現状がある今、既存ブランドはプロフェッショナルが“過程”を伝えることが必要だと思う。ファッションで始めたとき、どこで「これは来る!」って手応えを感じた?
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