三井不動産による東京・渋谷の複合施設「ミヤシタパーク」が、7月28日から段階的にオープンする。90店舗を集積する。「ルイ・ヴィトン」をはじめとしたラグジュアリーブランドやストリートブランドなどのほか、レコードやアートなどのカルチャー、全長100mに居酒屋やレストランが集まる「渋谷横丁」など、個性的な90店舗が入る。
日本最大級の「アディダス」はサステナビリティエリアを設置
明治通り沿いの「アディダス(ADIDAS)」新店舗「アディダス ブランドセンター RAYARD MIYASHITA PARK」は、1階と2階の2層構造で店舗面積が944平方メートルだ。さらに8月下旬には2階に「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」コーナーも開き、日本最大となる1028平方メートルに増床する予定だ。
1階にはメンズ商品に加え、東京をテーマにしたデザインのTシャツをそろえる“トーキョーショップ”、同社が推進するサステナビリティに関する商品が並ぶ“サステナビリティエリア”、サッカー日本代表のエンブレム型の什器を設置した“フットボール ID”を併設。新コーナーはすべて日本初の試みだ。
2階にはウィメンズとキッズアイテムが並ぶ。キッズエリアは日本最大面積となり、休憩スペースも設けている。ほかにも大型のデジタルスクリーンや、アーティストと協業した店内装飾など、多彩なディスプレーで全カテゴリーの商品が一堂に集まる。
同ブランドの大型直営店は渋谷・原宿エリアで4店舗目となるが、「立地的に集客は見込める」と同社担当は自信を見せる。
「アンドワンダー」最大規模の直営店 システマチックな機能美
アウトドアウエア「アンドワンダー(AND WANDER)」は、最大規模の直営店を出店した。スキーマ建築計画の長坂常氏による内装の店内は、機能的でシステマチックなデザイン。6月にリニューアルオープンした1号店の元代々木の直営店とも異なる雰囲気になっている。
同店にはファッションブランドで見られるような装飾的な什器やマネキンは置かない。天井に格子状に張り巡らされたフレームにハンガーポールやラックを吊り下げることで、自由にレイアウトできるようにした。天井のフレームに沿ったカーテンで仕切れば広い試着室の空間も作れる。輸送用のコンテナを思わせる台車は商品を陳列するだけでなく、在庫を収納させる箱としても機能するなど、同ブランドの機能美の考え方を店内の隅々まで反映させた。
「エレッセ」はスポーツファッションの新機軸に挑む
ゴールドウインの「エレッセ(ELLESSE)」は、これまでパフォーマンスとファッションに分けていたカテゴリーを統一し、2020年から再始動。初の単独店となる「エレッセ トーキョー」では、“ア・ニュー・ウインド”をコンセプトに掲げ、ファッション性強化の姿勢を若い世代に向けて訴求する。ルーツであるテニスウエアやスキーウエアの機能性を街着として提案し、音楽やアートなどさまざまなカルチャーの切り口と共に発信する。オリジナルアイテムに加え、アパレルやシューズは他ブランド品も一部扱う。オープンに合わせ、アーティストのとんだ林蘭とコラボレーションしたカプセルコレクションを販売している。
アウトドアの“実直系”「マムート」は汎用性を若者にアピール
スイス発のアウトドア「マムート(MAMMUT)」の新店は、コアであるクライミング用品の機能を都市生活向けにアレンジしたカテゴリー“アーバニアリング”の商品を中心にそろえる。汎用性の高いアパレルやバッグは、アウトドアアクティビティーに耐えうる本格的な機能を備えている。ブランドが貫いてきた実直な物作りの姿勢は強みである一方、「山屋に行かないと出合えないブランドというイメージも持たれている」と担当者。新店では「若い客層にとってブランドの入り口となり、街になじむ一面を訴求したい」と期待する。高機能かつタウンユースの象徴的アイテムとして、防水素材「ゴアテックス(GORE-TEX)」を表地に用いた軽量の“ゴアテックス シェイクドライ”のポンチョ(5万5000円)を限定数販売する。