“ゼティック”は、オーセチック素材(Auxetic Materials)と呼ばれる泡状の素材を圧縮して硬質化させたソールで、着地時の衝撃を効率よく吸収する八の字型の空洞が特徴だ。運動力学を研究するMITのラボとともに何通りものデザインを考案し、コンピューターで衝撃吸収を実験。その結果をもとに最適な空洞デザインを採用した。
オンライン発表会にはソール開発を手掛けたハイコ・デセンス(Heiko Desens)「プーマ」クリエイティブ・ディレクターとローマン・ジラード(Romain Girard)「プーマ」シニア ヘッド オブ イノベーションが登壇。デセンス氏はMITとの共同開発について、「最新のツールとソフトを使って納得のいくまで新素材を研究できた。かけがけのない経験だ」と振り返る。また、「ランニングだけでなく、日常のありとあらゆるシーンに対応する。ゆくゆくはトップランナー向けのシューズにも採用されるかもしれない」と展望する。
“カリブレート ランナー”は、アッパーにフィット感のあるニット素材を採用。ホワイトは繊細なグラデーションとシルバーのコーティングでシンプルに仕上げ、ブラックは鮮やかなグリーンでアクセントを効かせた。ジラード氏は「ソールの機能はもちろん、洗練されたデザインも魅力。カジュアルからストリート、テック系のファッションまで幅広いスタイルになじむモデルだ」とデザイン面の魅力をアピールした。今後はレトロなランニングスニーカーをイメージしたマルチカラーのほか、ドイツのポルシェ・デザイン(Porsche Design)と協業したモデルも発売予定だ。