インスタグラムはショートムービーが作成できる新機能「リール(Reels)」を、アメリカをはじめとする50カ国で公開した。インスタグラム上のストーリーズ用カメラを使用して、音楽やカメラエフェクトを加えた15秒の動画の作成が可能になる。ほかにも動画の長さを設定できるタイマーや速度を変える機能、位置合わせツールを備えている。ユーザーは今までにないスピード感を体験できるようになった。
さらに「リール」では自身の音源を使った動画の作成ができ、個人クリエイターは特に拡散しやすくなるとみられる。パブリックアカウントを持つユーザーが自身の楽曲を使用した場合、そのリールに使われている楽曲を他のユーザーも使用できるという。
ショートムービーの分野では現在、中国発のティックトック(TikTok)が10〜20代を中心に圧倒的な人気を持っている。インスタグラムの親会社であるフェイスブック(FACEBOOK)社は数年前から新機能の開発に取り組んでいたとするが、米国でティックトックの使用禁止に向けた動きが加速しているタイミングでの開始となった。
フェイスブック社は過去にスナップチャット(Snapchat)の24時間で投稿が消えるストーリー機能を取り入れたこともあり、ライバル企業の機能を取り入れる傾向について疑問の声も上がっている。同社のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)最高経営責任者(CEO)は、この動きに関するアメリカ合衆国下院司法委員会の問いに対して、マーケットの競争行為に反することは行っていないとしながら「他企業が行っているものを取り入れている」ことは認めている。インスタグラムの利用率はティックトックを上回っているものの、若いユーザーの急激な増加は脅威となっているようだ。