楽天の20年4〜6月決算(国際会計基準)は、国内ECの流通総額(GMV)が前年同期比15.2%増の1兆300億円になった。コロナ禍による旅行激減で「楽天トラベル」などが不調だったが、主力の「楽天市場」を中心とするショッピング系のサイトの好調が全体を押し上げた。楽天の三木谷浩史会長兼社長は、報道とアナリストを対象にしたオンラインの決算会見で「『楽天市場』『楽天ファッション』『ラクマ』などのショッピング系サイトの流通額は、前年同期比で48.1%増と、強力な伸びを見せている。足元の8月でもこの勢いは衰えるどころか持続している。特にファッションは有力ブランドの出店が相次いでおり、僕もびっくりするような高級ブランドも出店を検討している」と語った。日本のファッションEC最大手の「ゾゾタウン」には「ロエベ(LOEWE)」「マルニ(MARNI)」などが出店しており、これまで日本のECモールへの出店には慎重だった、海外の高級ブランドの出店が加速しそうだ。
国内ECの売上高は同14.0%増の1331億円、営業利益は同9.1%減の110億円だった。減益の要因は、千葉・習志野や神奈川など自社の物流・配送網物流への投資によるもの。「翌日配送などのきめ細かなサービスも、ショッピング分野の成長を後押ししている」という。