クラレの2020年1~6月の売上高は前年同期比8.8%減の2620億円、営業利益は29.8%減の196億円の減収大幅減益だった。新型コロナウイルス感染拡大が大きな影響を与えた。
セグメント別で、繊維部門の売上高は同14.7%減の282億円、営業利益は同44.1%減の16億円だった。不織布「クラフレックス」のマスク用途の販売は増えたものの、主力である人工皮革「クラリーノ」は、売り上げ構成比率が約80%を占めるアジアおよびヨーロッパなど海外での需要減退に伴い販売量が減少した。1964年に開発された「クラリーノ」はランドセルやシューズ、スマートフォンケースのほか、ハンドバッグの材料として使用するヨーロッパのラグジュアリーブランドが多い。
クラレは、新型コロナの影響が21年以降も続くと想定しており、第3四半期以降の事業では需要低迷に伴う生産調整を予定しているという。
通期の連結業績は、同11.4%減の5100億円、営業利益は同39.1%減の330億円を予想している。