コストコ(COSTCO WHOLESALE CORPORATION)が「ティファニー」と名付けた指輪を販売していたことが商標権侵害に当たるとして、ティファニー(TIFFANY & CO.)社がコストコを相手取り損害賠償などを求めて提訴していた件について、二審は8月17日、コストコに2101万438ドル(約22億円)の損害賠償を命じた一審判決を破棄し、審理の差し戻しを命じた。
一審ではティファニー社の主張を認め、コストコが「ティファニー」と名付けた指輪の売上額を370万ドル(約3億円)と認定したが、最終的には実損の3倍に当たる1110万ドル(約11億円)と懲罰的損害賠償金825万ドル(約8億円)、計約22億円の損害賠償命令を下した。
コストコは、ティファニー社が求めた略式判決を一審が認めたことは判断に誤りがあったと主張し、コストコ側に陪審員への十分な説明の機会が与えられなかったと訴えた。二審ではコストコの主張が認められ、結果として審理の差し戻しが命じられた。
ティファニーはこの判決に対して、「判事ではなく陪審員に判断させるべきだという二審判決に不服である。われわれは一審の判決が正当だったと信じている。また、この事件を再審することになんの抵抗感もなく、再審で陪審員が検討した結果、コストコの侵害行為が明らかとなり一審判決通りの判決が下ることを確信している」とコメントしている。
ティファニーがコストコの商標権侵害を主張するのに対してコストコは、「ティファニー」という名称がティファニー社の登録商標であることは認識しているが、“ティファニー・セッティング”という一般的に使用される指輪の形状を指して“ティファニー”という名称を用いたにすぎず、消費者の混同を招く意図もなく、同社の商標権を侵害もしていないと主張していた。