伊勢丹新宿本店本館3階の婦人服の自主編集売り場「リ・スタイル(RESTYLE)」が19日、リニューアルオープンした。従来のブランド・スタイリング別に商品を並べた売り場構成を見直し、販売員の個性や商品の背景にあるストーリーを伝えることを重視して、4つの編集ゾーンで再構築。さらに「リアル店ならではの偶然の出合いやワクワク感」(田中慎一郎・三越伊勢丹新宿婦人服・婦人雑貨営業部セレクトショップ担当リ・スタイル店長)を演出するため、短いスパンで売り場を変化させる。
同売り場は新型コロナによる休業(4月7日〜5月29日)から営業再開後、売上高が前年を上回るペースで推移している。特にECは「前年同期比で4倍以上」と跳ね上がっている。好調要因の一つが、「販売員が休業中もインスタグラムなどSNSを駆使した発信で、お客さまつながっていたこと」だという。「オンライン販売が好調の一方、お客さまからは販売員から接客を受けて買いたいというお声がますます増えている。売り場の強みが販売員であることを再確認している」(田中店長)。
今回のリニューアルでは販売員の個性が発揮できる売り場作りに力を入れ、中でも「スタイリスト編集ゾーン」は販売員が自らの感性でディレクションする。アパレルだけでなくリビングやビューティなどフロアやカテゴリーの垣根をまたいで商品をセレクトし、ライフスタイル全般に及ぶ提案を行う。9月1日までは同フロア販売員の山崎真奈が担当し、「月曜の朝」「金曜の夜」などシーンによって様変わりする「自分の部屋」をイメージしたゾーンとする。さらにフロア中央には「カスタマーズ編集ゾーン」として、顧客向けの予約制サロンを設置。担当スタイリストが顧客の趣味・嗜好に合わせて洋服、雑貨などをあらかじめセレクトして客を出迎え、パーソナライズされた提案を行う。
国内外の買い付けアイテムが並ぶゾーンも、常に変化する仕掛けで客を楽しませる。エスカレーターに最も近く、売り場の間口になる「キュレーション編集ゾーン」は、バイヤーの視点で2週間ごとにテーマを入れ替えるポップアップスペースだ。オープンイベントの「ザ パワー オブ チョイス(THE POWER OF CHOICE)」(〜9月1日)は、サステナビリティをテーマにビンテージアイテムやデッドストック生地を使った1点もののアイテムを販売。「マメ(MAME KUROGOUCHI)」のワンピースや「ロク(ROHK)」のトレンチコートなど15ブランドの限定商品が並ぶ。また、使用済みの洋服や廃材を装飾に生かすなど、世界観の打ち出しにも注力している。
売り場のリニューアル後の売上高目標については、「店舗、EC合わせて前年を上回る実績を目指す」としている。