「ブルガリ(BVLGARI)」は9月、「アンブッシュ(AMBUSH)」のクリエイティブ・ディレクターであるYOONとコラボレーションしたアクセサリーを発売する。同ブランドがアクセサリーで女性とコラボするのは初めてのこと。「ブルガリ」のアイコンである“セルペンティ”をモチーフにYOONがデザインしたバッグほかのアクセサリーは、ビビッドカラーに彩られたポップな印象だ。YOONに「ブルガリ」とのコラボやクリエイションなどについて聞いた。
WWD:「ブルガリ」とコラボした感想は?
YOON:女性では初ということで、光栄に思う。「ブルガリ(BVLGARI)」のアーカイブに触れる機会があり、そのすごさを実感した。アイデアの宝庫だと思った。
WWD:“セルペンティ”をモチーフにした理由は?アイコンの“セルペンティ”をどのようにデザインに落とし込んだか?
YOON:「ブルガリ」からの提案だった。もともと私は動物にあまり興味がなかったけど、“セルペンティ”を自分らしく表現するため、ヘビについていろいろリサーチをした。そして、南アジアに生息するパイソンの自然の色の美しさに感動した。デザインのための答えが自然に会って、その美しさをバッグやアクセサリーに落とし込んだ。パイソンのかわいさや軟らかさ、そしてしなやかさを表すために、わざと丸みを持たせたデザインにしている。“セルペンティ”を私自身の見方で解釈し、ヘビが持つシンボリズムや存在感を表現したつもりだ。
WWD:どのような人にコレクションを楽しんでほしいか?
YOON:特にない。私の役割はデザインして発信すること。どういう反応があるか楽しみだ。気分次第で2ウエイ、3ウエイと幾通りにも使えるのでコーディネートしやすい。それぞれの人がどのようにコーディネートをするか、SNSなどで見るのを今から楽しみにしている。
WWD:今回のコラボで苦労した点や楽しかった点は?
YOON:「ブルガリ」は私が表現したいことを理解してサポートしてくれた。もしかしたら、ブランドとして抵抗があったかもしれないようなことでも、「やってみないと分からない」と自由にデザインさせてもらったのでとても楽しかった。
WWD:いろいろなブランドやカテゴリーでコラボしているが、自分に向いていると思うコラボは?
YOON:コラボは全て違うし、全部楽しく取り組んでいる。いろんなことを試すのが楽しい。オファーがたくさん来るけど、明確に「これは、アリ」と思う人たちだけとコラボするようにしている。コラボの発信方法もさまざまで、そこからいろいろな方法が見えてくることもある。
WWD:自分のクリエイションの哲学は?
YOON:自分が欲しいと思うもの以外は作らない。「これは、アリ」と確信を持ったものだけ作るようにしている。自分の直感を信じている。直感はある意味筋肉のようなもので、鍛えれば強くなる。
WWD:これからのクリエイションに必要なことは?
YOON:機能や見た目も大事だけど、自分たちが生きている世の中の状況で、意味をなすもの、役割を持つものが重要だと思う。ブランドの規模に関係なく、ストーリーをきちんと伝えられることが大切。
WWD:新型コロナウイルス感染拡大で感じていることは?
YOON:状況が刻々と変化しているので、今までのやり方は通用しなくなってきている。ポジティブに新しいことをするべき。できることに集中していれば楽しくなってくるし、困難を乗り越えることができると信じている。
WWD:コロナで人々の価値観はどのように変わると思うか?
YOON:世界的に経済がスローダウンしていて、何が必要かを皆が考えているはず。それは人それぞれで違うかもしれない。個人的には、重要なことに時間とお金をかけるようになり、サステナビリティの重要性が高まると思う。大量生産・大量消費を変えていきたい。クオリティーにこだわり、本当に必要なもの、そして長く使えるものだけを作る世の中になればいいなと思う。