イタリアの投資会社イタルモビリアーレ(ITALMOBILIARE)は、オフィチーナ・プロフーモ・ファルマチェウティカ・ディ・サンタ・マリア・ノヴェッラ(OFFICINA PROFUMO FARMACEUTICA DI SANTA MARIA NOVELLA 以下、サンタ・マリア・ノヴェッラ)の株式60%を1億2000万ユーロ(約150億円)で取得した。同社は2020年1月にサンタ・マリア・ノヴェッラ株式の20%を取得しており、9月中旬までに今回の取引を完了させて80%を保有することになる。
サンタ・マリア・ノヴェッラは1221年にフィレンツェで創業した世界最古の薬局。現在は、昔ながらのパッケージが特徴的なフレグランスやスキンケア、ソープ、キャンドルなど600種類以上の「サンタ・マリア・ノヴェッラ」製品を展開し、世界の約300店舗で販売している。同社の見積上の19年度連結売上高は3100万ユーロ(約39億円)を上回り、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は約1300万ユーロ(約16億円)だった。地域別の売上高比率は、ヨーロッパと中東、アフリカが61%、韓国と日本を中心としたアジアが21%を占め、残りはアメリカだ。
イタルモビリアーレはこの2年間で、イタリアを拠点とする複数の企業に4億ユーロ(約500億円)以上を投資しているが、フレグランスやビューティ製品を中心とする事業への出資は今回が初めて。同社が投資する企業の総売上高は約16億ユーロ(約2000億円)に上る。