西野大士氏が手掛けるパンツ専業ブランド「ニート(NEAT)」は、国内初となる直営店「ニート ハウス」を9月16日、東京・神宮前に出店する。
約20平方メートルの店舗は木目調の重厚な内装で、これまで卸販売してきた既製品の販売はせず、パンツの型・生地を客が選び、受注販売するオーダーサロンとなる。選べる形は「ワイド」「テーパード」「スタンダード」といった既製ラインの定番9種類。サイズは既製品がウエスト4cm刻みであるのに対し、ここでは2cmとより細かいピッチで対応する。生地は国内外から100種類以上を取りそろえ、英「テイラー&ロッジ(TAYLOR&LODGE)」や伊「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」など名門服地メーカーの生地に加えて、米コーンミルズ社のデッドストックのデニム、ビンテージのテントクロスなど、希少もしくは店舗限定のものも多い。注文から約30〜40日で納品となる。
ショップの主なターゲットは既存のブランド顧客。卸販売の既製品の中心価格帯3万円台に対して、オーダーパンツは1本当たり4万〜8万円。じっくり接客ができるよう、入店は1日5組に限定、各枠2時間のアポイント制とする。
ブランドスタートから4年で卸販売のアカウントは35店舗まで広がり、「横の広がりはもう十分だと考えている」と西野氏。2020-21年秋冬からは、「ブランドのブームが加熱しすぎると一過性のもので終わってしまう」という危惧から、一店当たりの買い付け量の上限も設けている。「今後はここ(『ニート ハウス』) を拠点に新しい価値を提供し、ブランドのファンと“縦掘り”の場を作っていきたい」と話す。