※この記事は2020年7月8日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
「ダメパパ」にならないように︎
一昨日、「WWDビューティ」編集部の「WWD JAPAN.com」編集部への統合を発表し、その背景にある「ONE WWD JAPAN」という思いを綴らせていただきました。下のリンク、1本目をご覧ください。
この宣言を書くに際しては、正直、少なからず躊躇しました。特に気にしたのは、「ファッションがビューティをナメている」そして「ビューティが、ナメられているように感じるから、ファッションを必要以上に敬遠している」の箇所。「長年の想いを、いよいよぶっちゃけて良いかしら?波風、立ちそうだけど(汗)」という躊躇です。無論、皆が皆、そうでないコトは分かっています。
案の定、事前に原稿を見せたファッション側の同僚から、「確かに、私はビューティを知らない。社内は、週刊紙の『WWDビューティ』やウェブが、週刊紙の『WWDジャパン』から生まれた経緯もあるから、変な関係性があるかもしれない。でも、ナメてるつもりもない」とアドバイスをもらいました。きっと、彼女はそうなんでしょう。「熱量、こもってんなぁ」という私の原稿に、率直に、異なる意見を述べてくれた。良き同僚です。でも私は、「いや、コレはマジで、ビューティ業界の結構大勢が感じているのを知っている。だから書きます」くらい宣言し、そのまま世に送り出しました。ここまで言い切ったのは、編集部の統合に伴う「WWDビューティ」編集部との個人面談を通し、やっぱり多くのスタッフがファッション>ビューティ」という、少なくとも社内には存在するヒエラルキーや関係性を感じ取っており、正直、「そういうモンなんだよね」と割り切ろうとさえしていたコトを学んだからです。
とは言え、この件については改めて、信頼するビューティジャーナリストに意見を求めました。念には念を入れて、ってヤツです。すると彼女は、「ナメられてると思ってますよー。そして、ファッションの人は気づかないですよ。それは多くのパパが、育児に悩むママの気持ちを理解しきっていないのと同じです」と背中を押してくれました。
そして、自分が「ダメパパ」にならないように気をつけなくちゃ、と気を引き締めたのです。
1本目のリンクの最後に書きましたが、今後収益の面において会社を支えるであろう、そして世界的にも、業界的にも、社内的にもますます存在感を増していくであろうウェブの特攻隊長として(笑)、最近「変わらない?変われない?」人たちを置き去りにしているかもしれない、と感じています。でもそれって、「ダメパパ」ですよね。バリバリ働いているからを大義名分に、育児で社会復帰できないママの気持ちに寄り添えないパパにはなりたくありません。「置き去り」、ダメです。
ちょっと先にデジタルの世界に足を踏み入れた者として何ができるか?を考えつつ、「『みんな違って、それがいい』って言葉は、本当に素敵だなぁ」なんて思ったりする毎日です。
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