小泉進次郎・環境大臣は26日、NPO団体ファッション レボリューション ジャパンの提言を受け、伊藤忠商事や豊島、ファーストリテイリング、H&Mジャパン、アダストリア、帝人フロンティアなど9社のファッション企業との意見交換会を行った。ファッション企業が自社の取り組みを説明しているのを聞き、小泉大臣は「手元の報道媒体にある“ファッション トランスペアレンシー インデックス”では日本ブランドの名前がまだまだ目立っていないし、欧米の有力企業・ブランドが入っている『ファッション協定(The Fashion Pact)』にも日本企業が一つも入っていない。多くの素晴らしい取り組みをしているからこそ、まずは加盟することで向こうの土俵に乗り、その上で取り組みをアピールしてほしい」と逆提案を行った。
意見交換会には、上記の伊藤忠などのほか、日本環境設計、クラボウ、東レ、アダストリアが自社のサステナブルの取り組みを紹介。その後は環境省の「森里川海プロジェクト」アンバサダーで意見交換会のファシリテーターを務めた鎌田安里紗さんのほか、クルックの江良慶介氏、モデルのトラウデン直美、森摂「オルタナ」編集長、渡辺三津子「ヴォーグジャパン」編集長も交えたディスカッションを行った。
ファッション協定は、フランス政府の呼びかけによって2019年に発足した環境保護などを定めた協定で、協定の発足をリードしたケリング(KERING)を筆頭に、シャネルやH&Mなどの有力企業が数多く参加している。小泉大臣のファッション協定加盟の呼びかけに、参加者の1人で昨年までJFW推進機構の国際ディレクターを務めた信田阿芸子氏は、「ファッション協定はフランス政府主導の協定。むしろ日本政府主導で、日本版ファッション協定を作って国際社会に新たな潮流を生み出してほしい」とリクエスト。小泉大臣は「できることしか言わない、できるかわからないからアピールしないでは、国際社会の潮流から取り残される。まずはやってみよう姿勢に変え、素晴らしい取り組みをもっと世界にアピールしてほしい」と企業にエールを送った上で、「環境省も今後は音頭を取って“日本版ファッション協定”やサステナブルファッションアワードの創設などにも取り組んでいきたい」と語った。