2016年春夏シーズンで最も注目したい日本人新人モデルが萬波(まんなみ)ユカだ。元看護師の異色の経歴を持つ彼女は、上京した後の7月に、タオやダイスケが所属するモデル事務所のドンナと契約した。その後すぐに「ユニクロ」15-16年秋冬ニットコレクションの広告と、日本で行われた「フェンディ」のショーに抜擢された。しかし、彼女の人気はデビュー前からで、インスタグラムのフォロワー数はすでに3万人超えている。開催中の2016年春夏ファッション・ウイークでは、「フェンディ」のショーでミラノのエクスクルーシブ・モデルに選ばれた。パリでは、ファッション・ウイーク前に現地のモデル事務所、エリートと契約。また、来年の大手化粧品会社とのキャンペーン契約が決定しており、彼女の活躍に期待が高まっている。ファッション界に突如現れた彼女の素顔に迫る。
WWDジャパン(以下、WWD):モデルを始めたきっかけは?
萬波ユカ(以下、萬波):学生時代から、知り合いのカメラマンの作品撮りを手伝ったり、ヘアモデルとして専門学校のショーに出たりしていました。当時は、看護系の大学で保健師や養護教諭などの資格を取得して、卒業後は手術中に執刀医を手伝う手術看護師として働いていました。一年、命の現場で勤めて、今しかできないことをしたいと自分を見つめ直し、上京を決意しました。
WWD:初めての仕事が「ユニクロ」の広告で、その直後、「フェンディ」でランウエイデビューも果たした。どういう心境だった?
萬波:プロのクリエイターに囲まれて慣れない現場でしたが、なるべく場に溶け込めるように心掛けていました。ショーは、ウォーキングもまだ完璧じゃないし、背の高いモデルとの身長差も気になったり、始まる前は不安だらけでした。でも、始まってランウエイを歩くとすごく楽しかったんです。自分自身、モデルとしての意識を高める大きなきっかけになりました。
WWD:服を見せることで意識していることは?
萬波:できるだけ、デザイナーにポイントを聞いたり、何をどう見せるべきかを自分から学びます。どんな抽象的なことでもいいので、言葉を聞いて、世界観を作るようにしていますね。
WWD:インスタグラムのフォロワーがすでに約3万人いるきっかけは?
萬波:ウェブなどで掲載されていたストリートスナップがきっかけのようで、自分でもこの数にはビックリしています。コメントいただくのもすごく嬉しいので、返信してコミュニケーションを取るようにしています。
WWD:今一番頑張っていることは?
萬波:英語とウォーキングの練習。モデルになって初めて海外に行くようになりましたが、コミュニケーションを取りたくても、言葉がうまく出なくて話せないことがあります。ミラノに向けて、猛勉強中です!
WWD:眉上でそろった前髪パッツンが印象的だが、何かストーリーがある?
萬波:もともと眉毛下の前髪だったんですが、上京して何か個性を作りたいと思って、ヘアサロン、ツイギーの松浦美穂さんに新しいヘアスタイルを作ってもらいました。
WWD:どんなファッションが好き?
萬波:古着が好きです。下北沢や原宿に行って、手頃な掘り出し物を見つけています。靴もレザー物が好きで、スニーカーは一足も持っていません。憧れるコレクションブランドは、「シャネル」や「ヴァレンティノ」。「セリーヌ」の色合いもとっても好きです。いつかランウエイを歩いてみたいです。
WWD:モデルとしての今後の夢は?
萬波:カバーガールだったんですが、今回の「WWDジャパン」9月14日号で叶えることができました!あとは、街に大きく飾られる広告に出ることと、ホラー映画のお化け役になること。ホラー映画とホラーゲームが好きなんです(笑)。