ビューティ

ライブ配信戦略で快進撃の「トーン」 2020年秋冬新作もインスタライブで発表

 マッシュビューティーラボが手掛ける「トーン(TO/ONE)」は、8月27日に発売した秋冬コレクションのプレス向け発表会をインスタグラムライブで行った。新型コロナウイルスの影響で実店舗が休業していた間にもインスタライブを積極的に行い、急速にフォロワーを獲得して売り上げにつなげてきた。ライブ配信を強化したことで4〜5月のEC売り上げが前年の12倍にもなったほどで、同ブランドにとって大きな武器となっている。

 そこで多くのブランドがZoomやユーチューブでオンライン発表会を行う中、「トーン」は秋冬の新作の発表にもインスタライブを活用。オンライン発表会専用の鍵付きアカウントを開設し、参加者は事前に自身のアカウントをPRチームに伝えることで出席を確認。そこからライブ配信を1日に4回行った。津覇雅実・PR担当と高野未久・商品企画が製品を説明する回と、RYUJIメイクアップディレクターがメイクアップデモンストレーションを行う回に分け、参加者は自由に選べるようにした。

 また、多くのブランドが頭を抱えるオンラインでの“世界観の演出”にもこだわった。「トーン」は花をコンセプトにしており、華やかな花々はこれまでビジュアルや発表会を飾ってきた。そんなブランドの世界観を画面上でも伝えるために、今季のビジュアルの花を手掛けたフラワーショップ 「ボイス」を貸し切った。通常の発表会のように会場を作り込み、そこからライブ配信を行うことで、これまでのリアルの発表会と同じ“世界観”を伝えた。全てiPhoneで撮影したのもポイントで、まるで会場にいるような“リアル感”を意識したという。

 テクニカルな面では、これまでのインスタライブのノウハウを生かし「画面の内容が長時間同じだと飽きられてしまうことが分かったため、会場の様子を見せたり、資料を投影したり、さらには製品をスウォッチしたり、約10分ごとに画面やコンテンツを切り替え、飽きさせないことを意識した」と津覇PR。そんなライブ配信の様子はインスタTVとしてアカウントに残し、当日見られなかった人のために、期間限定で後からでも見られるようにも配慮した。「今や誰もがインスタアカウントを持っている時代。今回の発表会はとにかく気楽に参加していただきたかったので、いつでもどこでも簡単に見ることができるインスタを選んだ」。

 なお、「WWDジャパン」8月20日号ではそのほかのファッション・ビューティブランドのオンライン発表会取り組みをまとめている。参加するバイヤーやエディター、美容家などのリアルな声も掲載し、そこから見えたオンライン展示会・発表会の課題などについても分析している。

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