ファッション

「バオ バオ」に類似したバッグの販売等を巡る裁判でイッセイ ミヤケとバルコスが和解

 イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)は、バッグメーカーのバルコス(BARCOS)のブランド「ハナアフ(HANAA-FU)」が展開するバッグがイッセイ ミヤケのバッグブランド「バオ バオ イッセイ ミヤケ(BAO BAO ISSEY MIYAKE、以下バオ バオ)」の商品と類似する特徴を備えているとして、不正競争防止法違反等を理由に製造、販売および輸入等の差し止めを求め東京地方裁判所に仮処分の申し立てを行っていた件について、両社が和解に達したと発表した。

 イッセイ ミヤケによると、東京地裁はバルコスの商品4種のうち、“アリエス ネオ(ARIES NEO)”など3種については販売等の行為が不正競争防止法に違反すると判断したという。また、これを前提として両社間で和解協議を重ねた結果、バルコスが3種の商品について製造、販売および輸出入を中止するなどの内容で和解が成立したという。その他の和解条件は非開示だ。

 イッセイ ミヤケは、「本件でも当社の主張が裁判所においておおむね認められる結果となった。当社としては、広く知られたデザインにフリーライドする不正競争行為の範囲を確認する上で、本件の和解もまた、意義のある結果であると考えている」とコメントしている。一方でバルコスは「早期解決のために和解を選んだ。また、上場を控える当社として早期に和解できたことは有意義であったと考えている」とコメントしている。

 イッセイ ミヤケによると、2019年1月末に業界紙にバルコスの商品の広告が大きく掲載されているのを発見し2月から両社の間で協議を行い、販売差し止め等の対応をバルコスに求めたが、バルコスはイッセイ ミヤケ側の要求に応じなかったため解決の見込みがなくなったと判断して、仮処分の申し立てに踏み切ったという。

 「バオ バオ」の商品は、物を入れるとタイルのようなピースの境界部分が折れ曲がり、外観が立体的に変形する点が特徴だ。今回和解の対象となった商品3種もタイルのようなピースがバッグ側面にあしらわれ、境界部分が折れ曲がって立体的に変化するという特徴を有している。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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