デサントはこのほど、初の環境配慮型のオリジナルブランド「リ:デサント(RE:DESCENTE)」を立ち上げた。同ブランドを手始めに持続可能なモノ作りへの取り組みを強化していく。
「リ:デサント」は回収衣料を原料とするリサイクル素材を使用した“バース”シリーズと生分解性素材を使用した“シード”シリーズで構成する。
“バース”シリーズでは、生産過程で発生する裁断くずや残反、使用済みの衣料品を原料としたリサイクルポリエステル素材“RENU”を使用したTシャツ(5830円〜、税込)などをそろえる。ユニセックスで着られるオーバーサイズのシルエットとトレンドレスなデザインにこだわった。同シリーズの鍵となる衣料回収を強化するために、同社はデサントトウキョウをはじめとする10店舗に回収ボックスを設置する(10月以降に設置予定)。今後は回収した衣料を同社がサポートするスポーツ選手のユニホームに再生するなど、強みであるスポーツコミュニティーを生かして、顧客とのコミュニケーションを図るという。
“シード”シリーズでは、天然繊維の和紙を原料とした独自素材を布地に用いたほか、製品ラベルやボタン、接着縫製に使用する接着剤などの副資材にも生分解性素材を使用した。アイテムはパンツ(2万7500円、同)やTシャツ(2万5300円、同)などで、和紙の消臭性や通気性といった特徴を生かしてスポーツ着にも日常着にも着られるアイテムをそろえる。
「リ:デサント」を手がける曽我部恵美子デザイナーは、「世界的にサステナビリティの取り組みが盛んに行われている中で、日本のスポーツウエア企業として遅れを感じていた。2011年にデサントに入社して以降、持続可能なモノ作りに取り組みたいという思いが常にあったが、会社としてなかなか踏み出せないでいた。今回の『リ:デサント』はスモールステップではあるが、ここで得た知見や技術を今後デサントの主力商品にも広げていきたい」と意気込む。
同社では持続可能な事業活動への取り組みとして、21年4月までに国内の事業所で再生可能エネルギー由来の電力使用を開始し、22年3月期では全事業所が使用する電力の30%相当を再生可能エネルギー由来の電力とする予定だ。また、サプライチェーンの透明化に向けて全生産工場の把握を進めるという。