2019年にスウェーデン・ファッション・カウンシル(Swedish Fashion Council)によって中止が発表されたストックホルム・ファッション・ウイークが8月25〜27日の会期で復活し、デジタル形式で開催された。参加したのは「ロデビエ(RODEBJER)」「スタンド スタジオ(STAND STUDIO)」「アーケット(ARKET)」「ハウス オブ ダグマー(HOUSE OF DAGMAR)」「ATP アトリエ(ATP ATELIER)」など23ブランド。
オープニングではスウェーデンのビクトリア皇太子がスピーチを行い、気候変動に対して警鐘を鳴らすとともに、より意識的な消費活動にシフトするよう呼び掛けた。会期中は、各ブランドのデジタルプレゼンテーションやデザイナーとの質疑応答、主要産業が抱える問題や地球環境を平等に共有することについてのパネルディスカッションもあったほか、音楽パフォーマンスやアバ(ABBA)のステージ衣装を手掛けたデザイナーによるスタイリング・セッションなども行われた。
ストックホルム・ファッション・ウイークのオーガナイザーでもあるスウェーデン・ファッション協会(Swedish Fashion Association)のカタリーナ・ミッドビー(Catarina Midby)事務局長は、「経済的な理由によりファッション・ウイークを中止したが、デジタルイノベーションを活用したデジタル・ファッション・ウイークはスウェーデンにぴったりだと判断し、復活に至った。ファッション業界における優先事項がサステナビリティ、デジタルイノベーション、および季節にとらわれないタイムレスなデザインへとシフトしていく中で、スウェーデンのファッションとの適合性を見出した」と語った。
また「スウェーデンのファッションをサポートし、業界内での位置付けを確立していきたい」とし、新型コロナウイルスの危機を乗り越えて生き残るために、デザイナーやエンターテイナー、サステナビリティの専門家、さらにはスウェーデンの王室メンバーからの支援を集めることで業界の活性化を図った。
昨年、ストックホルム・ファッション・ウイークの中止が決定した理由として、先進的な方法を模索し、サステナブルな産業に生まれ変わるためのアクションを起こすことが挙げられた。その際、今後は北欧地域のファッションイベントとして国際的にも認知度の高いデンマークのコペンハーゲン・ファッション・ウイークに組み入れられることも発表されていた。