伊勢丹新宿本店は2日、本館1階にライフスタイル型の自主編集売り場「イセタン シード」をオープンした。もともと傘、ハンカチなど婦人雑貨の売り場だった区画を改装。カテゴリーの枠を取り払い、ファッション雑貨から化粧品、書籍、食品に至るまで100ブランド約1300点を並べた。改装後の売上高目標は非公開。
「コロナ禍でお客さまが安心・安全を求める心理へ変化する中、『ここに来れば欲しいものが見つかる』という売り場が必要だと考えた」と小林嵩同店婦人雑貨バイヤー。定期的にポップアップイベントも開催するなど、この売り場を起点とした来店頻度向上と買い回り促進も視野に入れる。
各カテゴリーのバイヤーが買い付けた定番品や名品などのほか、鮮度の高いトレンドアイテムも並ぶ。展開ブランドはファッション雑貨が「アニヤ・ハインドマーチ(ANYA HINDMARCH)」「ナナナナ(NANA-NANA)」、コスメが「ウカ(UKA)」「ダヴィネス(DAVINES)」、文具は「ラミー(LAMY)」など。デジタル機器は「家電量販店にはない、百貨店らしいもの」(小林バイヤー)の提案として藤原ヒロシや「サカイ(SACAI)」とコラボしたポラロイドカメラなども買い付けた。食品ゾーンでは、同社が運営する食品のオウンドメディア「フーディー」で読者が選んだ食品100選を陳列している。
膨大な商品群を抱える同店において「コンビニのような快適さ、利便性のある売り場を目指した」(小林バイヤー)。陳列棚にはタブレット型端末も数台設置されており、これらは同社の公式アプリ「三越伊勢丹アプリ」と連携している。詳しい商品説明を調べたり、ECでの購入から自宅で受け取ったりすることも可能だ。