※この記事は2020年7月16日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
どうなる? ブルックス ブラザーズ
すでに予兆はありました。1818年創業のアメリカが誇るメード・イン・アメリカ、ブルックス ブラザーズが5月にアメリカの3つの工場を閉める計画を発表していました。いよいよ危ないのだなと思いました。
続けてゴードン・ブラザーズから借り入れしたというニュース。同じブラザーズですが、こちらは動産会社。つまり在庫を引き取って処分したり、それを担保に融資する企業で、つい最近、破たんしたローラ アシュレイを買ったばかり。次はブルックス ブラザーズってことになるんじゃないかと思っておりましたが、やはり破たんしてしまいました……(1つ目の記事参照)。
米国の破産法適用申請は、借金を帳消しにして再出発するための“リセットボタン”的なものといわれており、どのCEOも破たんしたのに「新たな未来に向かって成長するためのステップ!」みたいに語ります。しかし、本当にどこが買うか、誰が再生するかーーそれ次第です。
買い手候補には、今回もオーセンティック・ブランズ・グループ(ABG)の名前が挙がっています。ABGは破たんした米バーニーズ ニューヨークを買収し、フォーエバー21も他の2社と合同で取得しています(2つ目の記事参照)。ブランドのライセンス展開で拡大している企業なのですが、ブルックス ブラザーズもこのラインアップに加わることになるのでしょうか……。
米国外とECは伸びていたというし、202年の歴史は世界的に見てもプレミアムです。現代のブランドとして蘇らせてくれる新しいプレーヤーが現れてほしい!!!!!アメリカントラッドがアップデートされる機会にならないものでしょうか?
新型コロナウイルス感染拡大の勢いが収まらない今、まだまだこうしたニュースは続きそうです。
ニーマン・マーカスやJCペニー、J.クルーといった大企業のほか、ジースター ロゥや良品計画、サボンの米国現地法人も破産法適用申請しましたし、「シエス マルジャン」はブランド終了を発表しました。店舗閉店や人員削減のニュースはもはや日常化しております。
英国でも、ローラ アシュレイ、キャス キッドソン、デベナズム、ルル・ギネスなどが管財手続きを申請しました。オールセインツは小売事業の再構築を行っており、未払い債務について家主などと交渉しています。そもそも経営難に陥っていたトップショップは大丈夫でしょうか。
破たんからの再生ストーリーにも注目していきたいと思います。
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