オンワード樫山の「ベイジ,(BEIGE,)」は2021年春夏からカジュアル志向の新ライン「エクリュライン」をスタートする。ジャケットを軸にかっちりとしたビジネスアイテムをMDの柱とするメインラインに対し、「エクリュライン」はカジュアルで肩肘張らずに着られるアイテムをそろえる。
「これまで40代のビジネスウーマンに支持を得てきたが、新しい日常や働き方への変化が加速度的に進む中、今までとは違うアプローチが必要と考えた」と宮脇亮介課長。「エクリュライン」のファーストシーズンのラインアップは、麻100%のざっくりとしたニット(3万3000円)、レーヨン×綿×麻の総丈ワンピース(3万6000円)、綿のタンクトップ(2万3000円)など。フェイクレザーを随所に用いることで上品に仕上げている。
一方、女性の社会進出などを背景に、ブランドの業績はスタート時(2012年春夏)からビジネススタイルを軸とした打ち出しで「堅調に推移」している。一貫して人気なのは定番ジャケット(5万6000円)だ。カーディガン感覚の軽い着心地と構築的なシルエットの両立が支持され、毎年2000着以上を販売している。「仕事着として義務で着るというよりも、『人前でしっかりとした自分を演出したい』とポジティブなマインドで『ベイジ,』を選んでいただけている」。
そういったブランドの強みをブラッシュアップするため、2018年秋冬には派生ブランドの「オーカー(OCHER.)」をスタートし、伊勢丹新宿本店3階の店舗で販売している。ブラウス類は全てシルク100%で、海外の名門生地メーカーのスーツ地を使ったロングコート(8万9000円)をそろえるなど、より上質・贅沢な仕様を盛り込む。「今後は女性にいい緊張感を与えられる服とともに、そのエッセンスを残した日常着の両軸の打ち出しで、ブランドの裾野を広げていきたい」。