俳優の香川照之が、自身がプロデュースする昆虫モチーフのアパレルブランド「インセクトコレクション(INSECT COLLECTION)」と、新ブランド「インセクトガーデン(INSECT GARDEN)」、絵本をメインに展開する「インセクトランド(INSECT LAND)」の合同展示会を東京・西麻布のエネコ東京で開催した。会場には香川本人が登場し、プレゼンテーションを行った。
服育をテーマとした「インセクトコレクション」は、“子どもと大人が昆虫を通じて学び、楽しみ、成長できるブランド”として2018年11月に誕生。香川が幼少期から愛してきた昆虫の柄をモチーフに、子ども服をメインとしたアパレルと雑貨アイテムを展開し、運営はアランチヲネが行っている。デビューから約2年、オンラインショップを中心としながら、全国で60回以上ポップアップストアも展開し、約30万点の商品を在庫ロスゼロで販売してきた。
今回発表した2021年春夏コレクションでは、抗菌、消臭、抗カビに加え、抗ウイルス効果も期待できるレピュールプレミアム加工を施した新作を披露。同加工により、洗濯後も前述の効果が長時間持続し、将来的に服を廃棄しても環境負荷がないという。デザインはこれまでのコレクション同様、ニュージーランド在住のイラストレーター、クルーロウ華子が手掛け、人気アイテムのTシャツを含むアパレルやマスク、バッグなどを販売する。
2021年春夏からスタートするエシカルライフスタイルブランド「インセクトガーデン」からは、草花と昆虫をモチーフにしたアイテムを発表。カナダ・モントリオール在住のアーティスト井上羅来とコラボレーションし、彼が自宅の庭の草花を使って再現した昆虫をデザインに落とし込んだ。アイテムは、1から12までの各数字にさまざまな昆虫を描いたナンバーシリーズをはじめ、昆虫図鑑柄の水着やスカーフ、クリアバッグ、iPhoneケースなどをそろえた。サイズは子ども用と大人用を含む8サイズ展開。「インセクトコレクション」がコットン100%使用に対し、「インセクトガーデン」では使用済みペットボトルを再生したポリエステルを素材に採用した点について香川は、「コットンは天然の風合いが根強い人気だが、一方で大量消費が問題となっている。ペットボトルは技術の革新によってリサイクル率が向上しているものの、再生されなければ高い環境負荷がかかる。各素材のメリットとデメリットを子どもたちに正しく学んでほしいと考え、ブランドによって素材を分けた」と説明した。服以外の素材にもこだわり、梱包時に使用するOPP袋を廃止し、より環境に優しい透明の紙袋を開発。ほかにも、タピオカの原料キャッサバを100%使用した食べられる紙袋や、包装紙に環境問題や塗り絵、迷路を印刷するなど、再利用できる工夫をこらした。タグに付随のシードペーパーには10種類の花の種をランダムに漉き込み、遊び心も取り入れた。
「インセクトランド」からは、3作目の絵本「カマキリのシャルロットとすずらんでんわ」を11月23日に発売する。新作グッズとして、昆虫のキャラクターを配した防災頭巾とブランケット、ライト、ホイッスルがセットになった防災リュックも登場。9月中旬より販売する。また今回食育にも挑戦し、カステラの老舗の福砂屋とのコラボレーションが実現。絵本に登場する9匹の昆虫のキャラクターを箱に描いたカステラを、福砂屋直営店と公式サイトで販売する。フードロスを防ぐため、完全予約販売で11月下旬発売となる。
さらに、9月26日には初の旗艦店「インセクトマーケット(INSECT MARKET)」を東京・二子玉川ライズにオープンすると発表。自然教育や環境教育について親子で学んでほしいという思いを込めて、ファッションフロアではなく、あえて教育や書籍を扱うフロアに出店するという。同店では全3ブランドを取り扱うほか、ワークショップの開催も予定している。
最後に香川は、「私たちは長年にわたって自然を破壊し、多くの動植物は静かに絶滅していった。地球に生きる生物として、今こそ環境問題について真剣に取り組まなければならない。このインセクトシリーズが少しでも多くの人々にとって考えるきっかけになれば」と語り、プレゼンテーションを締めくくった。