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「メゾン フランシス クルジャン」からメンズに向けローズの香りが登場 “女性らしい”バラの香りの概念を覆す

 「メゾン フランシス クルジャン(MAISON FRANCIS KURKDJIAN)」は9月16日、新作メンズフレグランス“ロム ア ラ ローズ オードパルファム”(70mL、2万8700円)を発売する。メゾンを代表する香りの一つであり、バラの花をイメージした既存のウィメンズの香り“ア ラ ローズ”シリーズのメンズ版だ。

 今回の新作発表会は、アジアのエディターや関係者を集めてZoomで行い、フランシス・クルジャン(Francis Kurkdjian)=クリエイティブ・ディレクダーが製品に込めた思いなどを語った。「バラは何千年も前からよく人類の生活に存在してきた植物であり、香水業界では花の女王と呼ばれているほど。かつてはメンズフレグランスにもよく使われていたが、19世紀あたりからさまざまな社会的規範によりバラは“女性らしさ”を象徴する香りになり、現代にまで続いてしまった」。

 そんな“女性らしい”バラの香りの既成概念を覆すべく、クルジャン・ディレクターはマスキュリンなローズの香りを作ることを決意。「バラはとても濃い香りでもあるので、深みを足すにはレザーやウード、シダーウッドをブレンドすることが多い。しかし、これらのような濃厚な香料を合わせると、“ローズ”らしさが打ち消されてしまうことがほとんど。だから“ローズ”らしさを残しつつ、マスキュリンでかつフレッシュな香りに仕上げるのは、これまでで最もチャレンジングなことだったかもしれない」と振り返る。

 何度も調合を繰り返しては一から作り直し、ローンチを後ろ倒さなけれなばならないほど、納得のいく香りが完成するまで苦戦したという。最終的にたどり着いたブレンドは、仏グラース産のセンチフォリアローズアブソリュートにグレープフルーツアコード、アンバリーウッドアコード、シスタスオイル、ブルガリア産ダマセナローズオイル、そしてセージオイルを合わせたもの。「処方の鍵となるのは、ローズのフローラルなノートと、アンバリーウッドの深みをつなげたクラリセージ」と説明する。

 ボトルにもこだわり、ラベルの裏とボックスには一輪のグリーンのローズを描いた。「ピンクではなく、グリーンのローズがポイント。バラの葉の裏側のグリーンをイメージした。表側よりも少し土臭いような、深みのある緑なんだ」。また、“ロム(L’homme)”の文字はフランシス本人が手書きし、同じ緑に染めた。

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