2021年春夏ニューヨーク・ファッション・ウイークが9月13〜16日に行われる。今年度のショーは例年とは異なり、新型コロナウイルスの影響で大規模なリアルのショーは中止に。参加するデザイナーやブランドの多くはライブ配信やビデオ、ルックブック、そのほかのデジタル機能を活用してコレクションを発表する。会期も前シーズンは6日間だったものが4日間に短縮された。
またコレクション期間中には、6月に行われるはずだったアメリカファッション協議会(Council of Fashion Designers of America以下、CFDA)主催の「CFDAアワード(CFDA AWARDS)」の授賞式や、若手デザイナーや最新メンズウエアブランドをプレゼンテーション形式で紹介する「ニューヨーク メンズ デー(NEW YORK MEN’S DAY)」を開催する。ニューヨークを拠点とするファッション業界のダイバーシティー(多様化)促進を掲げる団体ハーレム・ファッション・ロウ(Harlem’s Fashion Row)も、第13回「スタイル アワード(STYLE AWARDS)」を開く。
ファッションショーの数々は「ランウエイ360」を通してCFDAの公式ウェブサイトから視聴可能だ。ここでは、新たにデジタルを駆使して行われる21年春夏ニューヨーク・ファッション・ウイークの見どころを紹介する。
参加するデザイナーやブランドは?
短縮されたスケジュールにかかわらず、多くの有名ファッションデザイナーやブランドが参加すると発表している。ラインアップは、「アディアム(ADEAM)」「アリス アンド オリビア(ALICE + OLIVIA)」「アナ スイ(ANNA SUI)」「キャロリーナ ヘレラ(CAROLINA HERRERA)」「クロマット(CHROMAT)」「クリスチャン・シリアノ(CHRISTIAN SIRIANO)」「クラウディア リー(CLAUDIA LI)」「エコーズ ラッタ(ECKHAUS LATTA)」「ジェイソン ウー(JASON WU)」「レベッカ ミンコフ(REBECCA MINKOFF)」「タダシ ショージ(TADASHI SHOJI)」「タニヤ テイラー(TANYA TAYLOR)」「トム フォード(TOM FORD)」など。
そのほか、「アキャンバス(AKNVAS)」や「ウォルク モライス(WOLK MORAIS)」など15ブランドが公式スケジュールに加わった。
不参加のデザイナーやブランドは?
参加を見送った主なブランドは、「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「ガブリエラ ハースト(GABRIELA HEARST)」「オスカー デ ラ レンタ(OSCAR DE LA RENTA)」「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」「トリー バーチ(TORY BURCH)」「プラバル グルン(PRABAL GURUNG)」など。
不参加を表明した多くのブランドは代替案を用意している。例えば「マイケル・コース」は21年春夏コレクションを10月15日にソーシャルメディアなどを使ってデジタル配信し、「ガブリエラ ハースト」はパリ・ファッション・ウイークに参加。「プラバル グルン」はプレスやバイヤー、ブランドサポーターに向けて個別にコレクションを披露する。「プロエンザ スクーラー」は10月中旬から下旬にデジタルでコレクションを発表するとしており、「トリー バーチ」もまたデジタル版ルックブックを公開する。
リアルなショーは行われる?
今回のニューヨーク・ファッション・ウイークで行われるショーは、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew Mark Cuomo)知事が掲げる安全衛生規格に沿って、屋外の会場で観客は最大50人までに限定して開催される。ショーの実施を発表したブランドは9日現在、「ジェイソン ウー」と「レベッカ ミンコフ」だが、両者は同時にデジタルでも配信する。そのほか多くのブランドはライブストリーミングやデジタルルックブック、ショッピングイベントでのプレゼンテーションを行う。
ショーをライブ配信する「ランウエイ360」とは?
「ランウエイ360(Runway360)」はCFDAが立ち上げた、国内のファッション業界向けのビジネスツールを兼ねた総合デジタル・プラットフォーム。参加ブランドやデザイナーは「ランウエイ360」を使って発表を行う。この新しい技術を通して世界中の小売業者やプレス、消費者を対象に、AR/VRを駆使した360°の動画やライブ配信、ECおよびSNSとの連係やショッピング機能の利用が可能になる。