「クレージュ(COURREGES)」は新しいアーティスティック・ディレクターに、ニコラ・デ・フェリーチェ(Nicolas Di Felice)前「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」ウィメンズウエア・シニア・デザイナーを指名した。ヨランダ・ゾーベル(Yolanda Zobel)前アーティスティック・ディレクターが1月に退任して以来、後任として有力視されていた。彼が手掛ける最初のコレクションは2021年3月に発表予定。今年3月に就任したアドリアン・ダ・マイア(Adrien Da Maia)最高経営責任者(CEO)と共にブランドの再活性化を図る。
ベルギー出身のデ・フェリーチェ新アーティスティック・ディレクターは、「ルイ・ヴィトン」のニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)=ウィメンズ・アーティスティック・ディレクターと深い関わりを持つ人物だ。ブリュッセルのラ・カンブル(La Cambre)を卒業後、08年にジェスキエールが率いていた「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のデザインチームに加入。6年間在籍し、ウィメンズのメイン・コレクションのシニア・デザイナー兼プレ・コレクションのヘッド・デザイナーまでを務めた。その後、ラフ・シモンズ(Raf Simons)時代の「ディオール(DIOR)」を経て、15年にジェスキエールを追って「ルイ・ヴィトン」に入社した。
「クレージュ」は1961年に創業。当時は革命的であったビニール生地を含むプラスチック素材をふんだんに使用したスタイルで話題を集めた。その後、2018年9月にパリ旗艦店で行った19年春夏コレクションで同素材の使用廃止を宣言。ゾーベル前アーティスティック・ディレクターの下、ビニール生地の代わりにリネンや再生コットン、再生ナイロンといったサステナブル素材を用いたウエアやアクセサリーなどを使用する方向に転換した。また同ブランドは現在、フランソワ・アンリ・ピノー(Francois Henri Pinault)=ケリング(KERING)会長兼CEO一族のプライベート投資会社、アルテミス(ARTEMIS)の傘下にある。