アメリカファッション協議会(Council of Fashion Designers of America 以下、CFDA)は2021年春夏ニューヨーク・ファッション・ウイーク初日の9月14日、2020年「CFDAアワード(CFDA Awards)」の受賞者を発表した。当初は6月8日に授賞イベントの開催を予定していたが、新型コロナウイルスの影響により無期限延期に。今回は、CFDAが立ち上げたデジタルプラットフォーム「ランウエイ360(Runway360)」とソーシャルメディアを通じて発表が行われた。
アメリカ人デザイナーを表彰する賞は全部で4部門ある。ウィメンズウエア・デザイナー部門は、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)やトム・フォード(Tom Ford)らを抑えて、自身の名を冠したブランドを手掛けるガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)が受賞。ウルグアイ出身のハーストはタイムレスなデザインとサステナビリティにこだわった上質なウィメンズウエアやバッグに定評があり、アクセサリー・デザイナー部門にもノミネートされていた。
アクセサリー・デザイナー部門は、昨年同賞を受賞した「ザ・ロウ(THE ROW)」を手掛けるアシュリー&メアリー・ケイト・オルセン(Ashley and Mary-Kate Olsen)姉妹や、「コーチ(COACH)」のスチュアート・ヴィヴァース(Stuart Vevers)といった候補者の中から、アイコンバッグがカルト的な人気を集める「テルファー(TELFAR)」のテルファー・クレメンス(Telfar Clemens)が選ばれた。また、メンズウエア・デザイナー部門はミレニアル世代を中心にファンを増やしてきた「パイヤー モス(PYER MOSS)」のカービー・ジーン・レイモンド(Kerby Jean-Raymond)に、新進デザイナー部門は過去にCFDA/ヴォーグ ファッション基金アワード(CFDA/Vogue Fashion Fund Award)を受賞したこともあるクリストファー・ジョン・ロジャーズ(Christopher John Rogers)に贈られた。
さらに今年は、世界的に活躍するデザイナーの功績を称える2つの賞を設けた。インターナショナル・ウィメンズ・デザイナー部門は、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のダニエル・リー(Daniel Lee)や「プラダ(PRADA)」のミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)を抑えて、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」のピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)が受賞。インターナショナル・メンズ・デザイナー部門は、「ロエベ(LOEWE)」のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)や「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)、ヴァン・ノッテンらを下し、「ディオール(DIOR)」のキム・ジョーンズ(Kim Jones)が栄冠に輝いた。