「WWD ビューティ」の月刊化第1号となった9月号では、「ファッション業界人が通うヘアサロン」を特集した。取り上げた「ジジ」は、“お客さまに感動を、その先の快適さを”をコンセプトに、ヘアサロン以外にも多方面で事業を展開している。特集内ではファッション業界人から支持されている理由について解説したが、コロナ禍の中、今年9月末に渋谷に3店舗目となる「チル」をオープンした。その理由をここでは間島勇大オーナーにインタビュー。
また、休業中にネットショップサービス「ベース(the base)」を活用して施術の前売りチケットやオンラインを活用したサロン向けセミナーチケットなどを販売し、独自の取り組みでも注目を集めた「ジジ」の新型コロナウイルスとの向き合い方とは──。間島勇大オーナーに聞いた。
WWD:新型コロナウイルス感染拡大の影響で4月は約1カ月間の休業を強いられましたが、その後顧客の戻りはどうでしょうか。
間島勇大オーナー(以下、間島):5、6、7月と売り上げが徐々に戻ってきて、8月は前年同月を上回る結果になりました。しかし密を避けるために予約の制限や席の間隔を空けるなどしているため、予約に対して席数が足りない状況に陥っていました。
WWD:コロナ下でのサロンの新規オープンはいつにも増して大きな決断だと思いますが。
間島:経営・資金面でのリスクはあるけれども、お客さまとスタッフのことを考え、箱を用意する、環境を整えるという意味合いが大きいですね。
WWD:原宿店ではビニールシートが席と席の間に設置されていますが、新店舗ではこういった感染症対策が当たり前になりますか。
間島:「チル」ではベースとして感染症対策を考慮した上で、空間にゆとりを持たせた設計にしていますし、予約数の制限もしながらスタートします。店舗が増えることでスタッフも移動するので、原宿店も渋谷店も空間をより広く使えるようになったと思います。
WWD:代表は原宿店で店長を務めていた豊島春華スタイリストが務めるのですね。
間島:はい。店舗名の「チル」も豊島が命名しました。人事やリクルートも基本的には任せています。原宿店でトップデザイナーを務めていた大園佳穂トップデザイナーがディレクターに就任することになりました。サポートはもちろんしますし、最終的な決定は僕が下しますが、基本的には意見を取り入れながら任せようと思います。スタッフの人数が増えれば僕一人で統括するのは難しくなるので、「ジジ」では代々木店もそうですが代表を設けて、各店舗ごとの査定によってスタッフの評価や成長に寄り添えるようにサポートしています。
WWD:「チル」の内装について、また今後の計画があれば教えてください。
間島:「ジジ」では“お客さまに感動を、その先の快適さを”をコンセプトに、ライフスタイルカンパニーとしてお客さまの一生に寄り添うためにインテリア事業やウエディング事業、不動産事業なども手掛けています。「チル」でもこのコンセプトに基づき、自社で内装も手掛け、豊島の意見を取り入れながら木材をふんだんに使った温かみのある店内に仕上げることができました。ライフワークカンパニーとして今後も新たなサロンの出店などを計画中です。