マスクをおしゃれなコーディネートに取り込む提案が増えてきました。2020-21年秋冬と21年春夏のニューヨーク・コレクションでは、マスクを積極的に生かしたルックが続々と登場。地味な無地のマスクは素っ気なく映りがちですが、カラフルな総柄タイプだと気分も少し軽やかに。取り入れ方のポイントは、服との“柄合わせ”です。
日本でも人気の高いブランド「アリス アンド オリビア(ALICE + OLIVIA)」が提案した花柄マスクはパンツとおそろい。ボリューム袖のブラウスをはさんで、同じモチーフを響き合わせてセットアップ。マスクとのつきあいはまだしばらく続きそうなだけに、コーデの選択肢に加えたくなる“柄入りマスク使い”のお手本を、NYコレからピックアップして紹介します。
服と同じ柄でセットアップ 花柄やファンタジー柄でやさしげに
マスクと服に同じ柄を迎えた“マスク・セットアップ”を組み立てる場合、モチーフがムードメーカーになります。花柄を選べば、一気にフェミニン濃度がアップ。ファンタジーな柄でドリーミングな気分を呼び込むこともできます。
「アナ スイ(ANNA SUI)」はバケットハット、マスク、スカートを同じ柄でそろえて“
3点セットアップ“に仕上げました。フラワーモチーフが顔周りにソフトなイメージを添えています。3点を離れたポジションで上下に並べることで縦長イメージが強まりました。ピンクベースのファンシー柄をあしらって、全身で穏やかな雰囲気を醸し出しています。
2枚目のキーピースはジャケット。マスクと同じ柄のジャケットを羽織って上半身の統一感を高めました。落ち着いた柄をマスクとジャケットに迎えると、顔周りをやさしげに演出できそう。ウエストポーチとスカートの裾にも同じモチーフを配してトータルコーデに整えたので、マスクが浮いて見えません。
アニマル柄でスパイスを投入 柄×柄コーデでこなれ感を演出
あえて服の色・柄とマスクの見え具合をずらすと、こなれた印象にまとまります。適度に主張を帯びたモチーフをマスクに取り入れるのには、役に立つコーデ技です。
印象の強いゼブラ柄のマスクを取り入れたのは「レベッカ ミンコフ(REBECCA MINKOFF)」。ぼかしたチェック柄のシャツを合わせて、上半身で“柄×柄”のコーデを提案。赤ベースのゼブラ柄はかなり目立つモチーフですが、シャツの赤と合わせることで、なじみをよくしています。柄をずらしても色で共通点をこしらえるのは、マスクコーデの基本技です。
2枚目はレオパード柄のマスクを選んだハードめのルック。黒革のライダースジャケットがタフ感を印象づけました。トップスにボーダー柄を迎えて、アニマル柄との柄ミックスを仕掛けています。テイストの異なるモチーフ同士が互いを引き立て合う演出。マスクは面積が小さくても、顔にかぶせるポジションなので見た目のインパクトは大。あしらう柄次第でムードの決め手になってくれます。
スカーフがマスク代わりの新発想 小顔効果も発揮
有力ブランドが相次いで打ち出しているのは、“疑似マスク”としてのスカーフ使いです。鼻から下を覆う感じで巻いて、服との一体感を高める見せ方。マスクの上から重ねるという選択肢もあります。
「アリス アンド オリビア」は、レインボーカラーの総柄ワンピースと同じ柄のスカーフを顔にも巻きました。マスクよりも隠れる面積が広い分、ミステリアスな雰囲気に。小顔効果も期待できます。マルチカラーのボーダー柄がボディになじんで、全体がすらりとして見える技ありスタイリングです。
スカーフを含めた全アイテムを同じ柄で統一すれば、あでやかで華やかな装いにまとまります。スカーフはほとんど目立たなくなり、逆におしゃれ感が際立ちます。2枚目の写真は、抽象化した花柄で全身を埋め尽くしました。ポジティブ感が押し出されていて、スカーフで覆った顔にもむしろ自信が感じられる装いです。
花柄でフェミニンに、アニマル柄でスパイシーになど、マスクの柄次第で自在に雰囲気を操れるので、柄マスクはコーデのキーピースに使えます。さらにスカーフやバンダナを使ったアレンジもバリエーションを広げてくれそう。素っ気ない無地マスクに飽きてきた今日この頃、柄マスクやスカーフを生かして気分を盛り上げてみてはいかがでしょう?