ファッション

「コーチ」2016年春夏ロンドン・メンズ・コレクション

REPORT

西海岸のサーフパンクと東海岸のヒップホップ

スチュアート・ヴィヴァース体制になって2度目のメンズ・コレクション。「ロエベ」そして「コーチ」とレザーに強いブランドのトップを歴任しているせいか、ヴィヴァースはレザーやムートンで作る迫力の重衣料を連打する傾向にある。しかし、今シーズンは重衣料の提案が難しい春夏。彼の力量が試されるシーズンだ。

そんな中、ヴィヴァースがイメージソースの1つに選んだのは、アメリカ西海岸のサーフ。ショーには機能性素材で作るフーデッドブルゾンや、ジャストひざ丈くらいのバミューダショーツ、ざっくりしたローゲージニット、それにカラフルな色使いのTシャツなどで作るリラックススタイルが頻繁に登場する。となると、今シーズンは、重衣料はお休み!?と思ったら、そこに 同じくアメリカの反対側、東海岸のヒップホップカルチャーをミックス。上述したリラックスアイテムを、激しいカラーリングで描くグラフィティで彩ったほか、フードにシェアードファー、エルボーにレザーのパッチワークをあしらったモッズコートトレンチ、ライダースブルゾンをガバッと羽織ることで自身も大好きで、しかも、レザーブランドの「コーチ」として提案すべきレザーウエアをコレクションになじませた。若々しく、アメリカンブランドらしい着想源を出発点とした提案だ。コマーシャル性の観点から見ても、ベーシックカラーで彩られたアウターと、サイケデリックなカラーのインナーやボトムスと幅広い年代の男性にアプローチできそうな構成になっている。カラーリングも、序盤はサイケやパンクだが、後半はノスタルジックにシフトし、キャメルやネイビー、さらにはブラックなどのベーシックカラーも登場。バリエーションは格段に進化している。

肝心のアクセサリーは、ビッグポケットのトートバッグや、動物プリントに彩られたスクエアバッグ、柔らかいレザーでリラックステイストを漂わせるショルダーバッグなど、こちらも多種多様だ。足元は、シェアードファーの“ビルケン”風サンダルや、マルチカラーのハイカットスニーカー、そして、スニーカーのかかと部分をくり抜きミュールのように仕上げたタイプまで、プレイフルだ。

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