パーソルキャリアが運営するアパレル・ファッション業界専門の転職支援サービス「クリーデンス(CREDENCE)」が、コロナ禍が求人動向に与えた影響を発表した。2020年6~8月に同社が扱った求人数は前年同期比25.0%減。「採用市場は7月を境に徐々に回復基調にある。21年4月以降は企業によって回復レベルは高くなる」と見込むが、「リーマンショック時はそれ以前の状態に戻るのに3年以上かかった。今回もそれと同等、もしくはそれ以上の時間がかかる」と読む。
6~8月の求人数は、正社員は同17.1%減に踏みとどまったものの、契約社員は同44.8%減と大幅な下落。職種別求人数では、パタンナーが同58.7%減、店長・販売職が同38.2%減と大きく打撃を受けている。パタンナーは、「コロナ禍による業績悪化で海外工場にパターンを外注する企業が増加した」。店長・販売職はコロナ禍以前は人材採用難で正社員化などが進められ、売り手市場が続いていたが、「売り手市場から買い手市場への変化が顕著になっている」。一方で、EC強化が各社の急務となったことで、EC・通販関連の求人数は同3.1%増と増えている。
今後、採用ニーズが高まると見込むのは、引き続き「ECサイト構築やデジタルマーケティングを行う人材」「業務効率化、コスト削減推進のためのデータ活用、オートメーション化の知見がある人材」。また、コロナ禍からの早急な立て直しのために、「商品企画、販売計画などを担うMDやデザイナーを求める企業も増える」と見込む。