ファッション
連載 ゲームカルチャー解体新書

今回はモデル級にカワイイゲーマーが登場 ゲームカルチャー解体新書Vol.3

 約15年にわたり、ファッションに軸足を置きながら、セールスやPR、企画立案の立場で国内外のブランドビジネスに関わらせていただいています。ファッション業界に携わる私が、ファッション業界をはじめ、ゲーム業界で活躍している方々、ゲーム好きのゲストとの対談を交えながら、「ファッション × ゲーム」の可能性や新しい価値を提供することができたら。そんな想いで新連載をスタートさせていただきました。

戸簾俊広(以下、戸簾):ゲストを迎えての第2回は、モデルの津島衣里です。よろしくお願いします。

津島衣里(以下、つしえり):よろしくお願いします。青森県出身の津島衣里、通称つしえりです。高校卒業と同時に就職で上京し、3年間はOLとして受付と総務のお仕事を兼務しました。その後、芸能事務所に所属し、広告モデルやタレント、またエヴァンゲリオン新劇場版とコラボしたレーシングチーム「エヴァンゲリオンレーシング」で、真希波・マリ・イラストリアス役を一年間務めさせていただきました。そのほかインドをはじめ、クアラルンプール、バンコク、プラハなど、いろいろな国でモデルのお仕事をさせていただきました。その後は、芸能活動を2年ほどお休みし、今後のことを考えたり悩んだりしながら、バイトと引きこもりの生活を繰り返していました。そして、ずっと言いたくても言い出せなかった「音楽をやりたい」とようやく口に出せるようになり8月から音楽事務所に所属しています。今後は、音楽活動をメインに、ゲーム配信やタレント活動などなど、マルチな才能を生かし、幅広く活動していきます。ユーチューブでのゲーム配信は2か月ほど前から始め、プレイステーション4のデビューと同時に「エイペックス(APEX)」をスタートしました。

戸簾:ゲームを始めたきっかけは?

つしえり:父の影響です。小さい頃から父や従兄弟、友達とよくやっていました。上京してからはいつの間にかやらなくなってしまいましたが……。去年の秋頃からボードゲーム会に行くようになり、仲良くなった友達と「コール オブ デューティ モバイル(CALL OF DUTY MOBILE)」というゲームを始めて、一緒にゲームをする楽しさを思い出しました。

戸簾:ユーチューブでゲーム配信をしようと思った理由は?

つしえり:「ゲームが下手な所や、つしえりのキャラクターを前面に出して配信したら?」という周りの声からです。小さい頃からゲーム好きで、特に音ゲーは得意なのですが、FPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)は本当に下手で、プレイステーション4の操作もひどく、そちらのセンスがないようでして……(笑)。「エイペックス」は、1キル(相手を倒す)までに1カ月半も掛かりました。それもまぐれの撲殺で(笑)。でも、初めて1キル出来たときは本当に嬉しすぎて泣いちゃいました。その時の動画を編集してティックトックに載せたら、思った以上の反応で、優しいコメントも多数いただきました。ユーチューブの登録者数も150人ほど増えました。

戸簾:面白いですね!配信はどんなスタイルで?

つしえり:「エイペックス」は敵がどこにいるか見えていないといけないゲームなので、髪を結んで、メガネがほとんどです。気合いを入れて挑む時の勝負服!みたいな感覚で、ゲームとファッションを絡めたいと思います。グロスは少し濃いめの赤など、さり気なくこだわっているんですよ。

戸簾:つしえりさんはゲーマーとして、ゲームとファッションの繋がりを深くするために必要なことは何だと思いますか?

つしえり:例えば「エイペックス」であれば、ゲームをイメージしたブランドの設立、ブランドとのコラボアイテム、特定のキャラクターを意識した洋服を作るなんて、どうですかねえ……?自分の好きなキャラクターの洋服を着るのは面白いと思います。私は「エイペックス」の“ローバ”というキャラクターがお気に入り。ゲームのキャラクターに愛着が湧く人は、たくさんいると思います。需要ありそうですね。

戸簾:例えば、アバターに実在のファッションブランドの洋服が着せられたら、欲しくなりますか?

つしえり:なります!

戸簾:ファッションとコスプレの境界線は?

つしえり:私のイメージではありますが、コスプレはアニメやマンガ、ゲームのキャラクターの衣装を忠実に再現し、そのキャラクターになりきったり、コミックマーケットに参加したりがコスプレです。普段のスタイルに要素だけを落とし込んだら、それはファッションかなあと思います。

戸簾:スキンやアバターへの課金は、途中でもしたくなるもの?

つしえり:ゲーム内課金をする友人は多いですね。やっぱり友達が買ったりしていると、いいな〜って思っちゃいます。私は我慢していますが、現実の世界でお気に入りのキャラクターのグッズや洋服があるとついつい買ってしまいますね……(笑)。

戸簾:ゲームは既に1つのメディアで、プレイヤーはインフルエンサー。ファッションやビューティ業界でマーケティングを行う皆さんは、絶対に注目すべきですね。逆にゲーマーの皆さんも、ユーチューブが飽和しつつある中、コラボによる差別化には可能性があるように感じました。

つしえり:ファッションやビューティとのつながりが深いプレイヤーは、まだいないですね。Vチューバー(バーチャルユーチューバー)はすごく増えていますが、ファッションやビューティにこだわりを持ち発信する人は、私の知る限り見たことありません。

戸簾:是非、自分なりのこだわりメイクでゲーム配信をしてみてください。

つしえり:やってみます!

戸簾:最後にゲームの世界の魅力を含めて、他の業界が学ぶべき長所はありますか?

つしえり:抱えているコミュニティーの規模が大きいという事。例えば、ゲームをする時は、やり方や進め方、上達する方法など、ユーチューブでいろいろな人の動画を見て学びます。私もやってみて分からないことは、ユーチューブで勉強します。比例してチャンネル登録をする人も多いので、コミュニティーが拡大するんです。

戸簾:昨今、コミュニティーの時代・デジタルの時代と言われますが、その双方を手にしたゲーム業界の凄さを感じました。この業界からスターインフルエンサーが生まれる日は、そんなに遠くないんですね。

戸簾俊広: ジェムプロジェクター代表:2009年に国内外のファッション・ライフスタイルブランドのブランディング、PR、セールス、コンサルティングを手掛けるブランディングカンパニーGEM PROJECTORを設立。現在は、地方創生プロジェクトや会員予約制のテンポラリーレストランの立ち上げに向け奮闘する一方、「受信者から発信者へ」をテーマにしたオンラインサロンを運営

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