「ヴェルサーチェ(VERSACE)」のドナテラ・ヴェルサーチェ(Donatella Versace)=クリエイティブ・ディレクターは、「バーバリー(BURBERRY)」のリカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)=チーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)が同ブランドに移籍するとの噂を否定した。「バーバリー」はこの話題についてコメントを控えている。
ティッシCCOが「バーバリー」に加わったのは2018年。17年に12年間クリエイティブ・ディレクターを務めた「ジバンシィ(GIVENCHY)」を離れた際も「ヴェルサーチェ」に参加するのではないかと見られていたが、ドナテラが正式に否定表明したのは今回が初めてだ。
イギリス国内を中心に業界内ではティッシCCOが10月にも「バーバリー」を去るのではないかと噂されている。しかしティッシCCOは「バーバリー」とは長期契約を結んでいるという。さらに「バーバリー」は、香港での長期デモや中国国内での新型コロナウイルス初期の混乱の中でも、今年1月までは成長を続けていた。新型コロナの影響で成長は停滞し減給や一時解雇に踏み切ったが、6月には再び主要市場である中国や韓国でのリバウンド消費やレザーグッズの人気を受けて回復傾向にある。
「ヴェルサーチェ」は、18年12月にマイケル・コース ホールディングス(MICHAEL KORS HOLDINGS)によって21億ドル(約2310億円)で買収されている。またそれを機に社名をカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)に変更した。ドナテラはその間も自身の名を持つブランドのデザインを続け、17年には兄で創業者の故ジャンニ・ヴェルサーチェ(Gianni Versace)への追悼の意を込めたコレクションを発表している。