ロンハーマンやトゥモローランドなどで、長年バイヤーを務めた永原太蔵氏がディレクションするセレクトショップが、大阪学院大学(大阪府吹田市)内に10月1日にオープンした。場所は校内にある紀伊国屋書店の一角。店名をサイコロの7つ目の目を意味する「スタンドセブン(STANDSEVEN)」と名付け、授業では学べないファッションやカルチャーの知見を育む場所として運営する。
永原ディレクターは、「昨年の12月に大阪学院大学からファッションについての講演の機会をいただいた。教育に携わりたかった学生時代の思いもあり、今の自分にできることとして、講演会で話したことを立体的に感じてもらえる場所を学内に作りたかった。購買部をやらせてほしいと打診した」ときっかけを話す。
教師を目指していた時期もあったという永原ディレクターは玉川大学卒業後、トゥモローランドに就職。メンズドレスを学んだ後ロンハーマンに転職し、LAのストリートに傾倒した。その幅広い経験と知見を生かし、店内には「ビンテージ」「ゲーム」「ビューティ」「オリジナル」「リビング」「トラベル」「スポーツ」「ポップアップ」「アート」「ファッション」の10のカテゴリーで商品を並べる。「例えばビンテージは、洋服の歴史を知ってもらうため。トラベルはいろんな国に旅に出て欲しいので、海外の観光誌やJAL、ANAなどの機内誌などを並べる。学生が手に届きやすい価格帯を意識しているが、中には3万円程度のモノもあり、高いものが高い理由や安いものが安い理由を考えるきっかけも作りたい」と狙いを説明する。
オリジナルグッズは、カレッジTシャツやスエットなどを用意し、キャップは「ニューエラ(NEW ERA)」とコラボした。価格は4000~6000円程度。ユニセックスなサイズ感を意識し、キャンパスの雰囲気や男女の割合などを考慮しながらデザイン。春と秋の学期ごとにデザインも刷新するという。ほかにもアメリカのフリーマーケットで買ったハルク・ホーガン(Hulk Hogan)の描かれたペンケースや「ボデガ(BODEGA)」のボトル、「ティファニー(TIFFANY)」のビンテージのマネークリップなどの雑貨もそろえる。10月は「ナイキSB(NIKE SB)」と「スポタカ(SPOTAKA)」によるポップアップイベントを開設している。
新型コロナの影響で、現在の大学の稼働率は60~70%だ。しばらくの間は紀伊国屋書店のスタッフが店頭に立つが、今後は学内で立候補者を募り、学生スタッフを雇っていきたい考え。
1週間後には大阪学院大学のHP内にオンラインサイトをオープンする予定で、「ザ クラシックスクール」というファッションやカルチャーに関する講義も行っていくという。
「『スタンドセブン』が学生たちの感性を刺激し、心を豊かにできる助けになればいい。ある教授から、ゼミで『スタンドセブン』を扱いたいというリクエストもいただいた。今後は定期的にゼミの中でもブランドや店作りについて伝えていきたい」と語る。