ファッション

「ステラ マッカートニー」が新ビジョン発表 ジェフ・クーンズやオラファー・エリアソンとコラボ

 「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」はこのほど、未来への意思を示す設計図としての新ビジョンを、AからZの26ワードで発表した。これはブランドのマニフェストであり、ブランドの姿勢を示すものである。今後、このビジョンを進化させるという覚悟を表明した。

 AからZまでの26文字のアルファベットを頭文字にしたワードは、英国や米国、フランス、ロシア、日本などのアーティストとコラボレーション。視覚的なアプローチを行った。「アーティストたちのユニークなビジョンと、ブランドの倫理観、美学、そしてファッション業界に道徳心をもたらすという大胆なミッションがクリエイティブに交流する」ことを目的にしたという。

 今回アーティストを起用したのは「アーティストはファミリー同然の存在である」というブランドの考え方に基づいている。コラボレーションしたのは、ブランドと深いつながりを持つ世界各国のクリエイターたちの中から厳選。ステラの親しい友人のジェフ・クーンズ(Jeff Koons)、オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)、ウィリアム・エグルストン(William Eggleston)、空山基、ステラの母で写真家のリンダ・マッカートニー(Linda McCartney)ら著名なアーティストたちと共に、将来を期待される若い才能も多く選出した。

 ロックダウン(都市封鎖)中に誕生したというこのコンセプトは、21年春夏コレクションから、素材の調達方法から衣類の製造方法、コミュニケーション方法まで、ブランドのあらゆる方針決定のベースになる。

 ステラ・マッカートニーは「このAtoZはロンドンで、ロックダウンの初期に生まれた。少し立ち止まって、本当に重要なこととは何かについて考える時間があった。私たちがファッションにおいて愛し、知り、信じていることを定義するものは何かについて考え、それを言葉で表現した。この“AtoZ”は、『ステラ マッカートニー』に関する全て。私たちの価値観や活動、そしてブランドが目指すことに責任を持ちながら、人々に愛され続ける魅力的で持続可能なファッションを常に生み出していくために私たちを導いてくれるアルファベットになった。“AtoZ”には、私たちの環境意識や、これまでに学んできたあらゆること、これまでに実現し、そしてこれから実現していくパートナーシップや変化、そして私たちが日々目指す目標など、全てが反映されている」とコメントを発表した。

 2021年はブランドの設立20周年の年でもある。この“AtoZ”コンセプトは21年春夏コレクションを通して表現されていくという。コレクションには“ゼロウェイスト(廃棄ゼロ)”コンセプトの限定アイテムが登場する予定だ。リサイクル素材の使用を増やすことにより、原材料の使用を最小限に抑えた、循環型ソリューションを推進すると同時に、ブランドのアイコンアイテムに再びパワーを与えたという。「人々を惹きつけるファッショナブルな魅力にさらなるフォーカスを当て、自信あふれる女性らしさを大胆に表現する」。

“A to Z”マニフェストと参加アーティスト

A is for Accountable - 説明責任(ラッシード・ジョンソン〈Rashid Johnson〉, アメリカ)
B is for British – ブリティッシュ(ピーター・ブレイク〈Peter Blake〉, イギリス)
C is for Conscious – コンシャス(シャンタル・ジョフィ〈Chantal Joffe〉, アメリカ/イギリス)
D is for Desire – 欲望(エルテ〈Erte〉, ロシア/フランス)
E is for Effortless – エフォートレス(シンディ・シャーマン〈Cindy Sherman〉, アメリカ)
F is for Falabella – ファラベラ(ロレンツォ・ヴィットゥーリ〈Lorenzo Vitturi〉, イタリア)
G is for Grateful – 感謝 (ジョージ・コンド〈George Condo〉, アメリカ)
H is for Humour – ユーモア (アレックス・イスラエル〈Alex Israel〉, アメリカ)
I is for Intimacy – 親密さ(ウルス・フィッシャー〈Urs Fischer〉, スイス)
J is for Joy – 喜び(Hou Zichao, 中国)
K is for Kind – 思いやり(ジェフ・クーンズ〈Jeff Koons〉, アメリカ)
L is for Linda –リンダ・マッカートニー(リンダ・マッカートニー〈Linda McCartney〉, アメリカ)
M is for Mindful – マインドフル (マート&マーカス〈Mert + Marcus〉, トルコ/ウェールズ)
N is for Nature – ネイチャー(リラ・アズー〈Lila Azeu〉, フランス)
O is for Organic – オーガニック (オラファー エリアソン〈Olafur Eliasson〉, デンマーク/アイスランド)
P is for Progressive – プログレッシブ(革新的)(ジェイアール〈JR〉, フランス)
Q is for Question – 疑問(リチャード・アーダー〈Richard Ardagh〉, イギリス)
R is for Repurpose – 再利用 (タリン・サイモン〈Taryn Simon〉, アメリカ)
S is for Sustainability – サステナビリティ(空山基〈Hajime Sorayama〉, 日本)
T is for Timeless – タイムレス(ウィリアム エグルストン〈William Eggleston〉, アメリカ)
U is for Utility – ユーティリティ (エミリー・プリア&パオロ・アクシオリ〈Emilie Pria and Paulo Accioly〉, フランス/ブラジル)
V is for Vegan – ヴィーガン (ウィル・スウィーニー〈Will Sweeney〉, イギリス)
W is for Womanhood – 女性であること (サム・テイラー・ジョンソン〈Sam Taylor-Johnson〉, イギリス)
X is for Kiss – キス (エド・ルシェ〈Ed Ruscha〉, アメリカ)
Y is for Youth – ユース(ジャーメイン フランシス〈Jermaine Francis〉, イギリス)
Z is for Zero Waste – ゼロウェイスト(ジョアナ・ヴァスコンセロス〈Joanna Vasconselos〉, ポルトガル)

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