RIZAPグループ傘下のジーンズメイトは、2021年3月までに渋谷センター街にあるジェイ・イー・エム渋谷店を閉店する予定だ。広報担当者は「新型コロナによる人出の減少が最大の要因」と話す。渋谷センター街には観光地としての一面があり、同店の売り上げの3~4割ほどを占めたインバウンド需要が消滅していた。
同店の前身となるジーンズメイト 渋谷店は1991年9月にオープン。24時間営業の先駆け的店舗でもあった。2018年10月、店舗2階に伊藤忠商事と独占フランチャイズ契約およびアパレル商品の製造ライセンス契約を結ぶバッグブランド「アウトドアプロダクツ(OUTDOOR PRODUCTS)」を都内初出店させるなどして、ジェイ・イー・エム渋谷店としてリニューアルオープンしていた。
広報担当者はさらに、「渋谷再開発に伴い、渋谷スクランブルスクエアなどのいわゆる駅ビルにアパレルが集約され、人の流れが変わった。“買い物をするエリア”として渋谷センター街の訴求力が低下したと感じる」と述べた。
ジーンズメイトの4~9月期の既存店売上高は、緊急事態宣言による商業施設の休館なども影響して前年同期比35%減。渋谷店同様、ジーンズメイト 竹下通り店の客足の戻りも鈍く、一方で「コロナ禍でも密になりにくい、郊外型店舗は売り上げが回復傾向にある」という。また、「ECにも引き続き注力する」とし、2019年に6%程度だったEC化率が「倍増できている」と話す。