イオンモールは7日、名古屋市港区で運営する大型ショッピングセンター(SC)の「イオンモール名古屋みなと」の営業を2021年2月で終了すると正式発表した。自社も含めた大型SCが近隣に増えて苦戦していたところに、新型コロナウイルスによる消費低迷が追い打ちをかけた。
イオンモール名古屋みなとは1999年に「ベイシティ品川」として開業し、2011年に現在の名称に変更して、21年にわたって営業してきた。総賃貸面積4万4000平方メートル。シネコンなどもある広域型のモールだったが、コロナ以前からテナントの撤退が多く、館内は空所が目立っていた。
周辺の競合激化の影響も小さくない。名古屋市は全国屈指の大型SC激戦区であり、市の中心部を囲むようにイオンモール熱田(03年開業)、イオンモールナゴヤドーム前(06年開業)、イオンモール大高(08年開業)、イオンモール新瑞橋(10年開業)、イオンモール名古屋茶屋(14年開業)が点在する。特にイオンモール名古屋茶屋はイオンモール名古屋みなとと5kmしか離れておらず、主要テナントや顧客が流出した。さらに18年に三井不動産が2kmの場所に「ららぽーと名古屋みなとアルクス」を開業させたことが決定打になった。かつてイオンモール名古屋みなとにはテナントが120入っていたが、現在は60に減っていた。