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三陽商会社長「来期の黒字化は必達目標」 店舗整理や仕入れ削減を急ぐ

 2021年2月期に5期連続の赤字予想を発表した三陽商会は、店舗整理や仕入れの削減などコスト構造改革を骨子とする「再生プラン」の実行で22年2月期の黒字化を目指す。今期は主販路の百貨店が新型コロナの影響を受けて業績が大きく落ち込んだものの、6日の決算会見に登壇した大江伸治社長は、「(構造改革の)進捗は順調。来期(22年2月期)の黒字化は必達目標だ」と改めて強調した。

 「再生プラン」の中身は、店舗撤退や仕入れ削減、新型コロナ影響で、一旦は21年2月期に売上高が355億〜440億円(前期は決算期変更による14カ月決算で688億円)に縮小、営業赤字が60億〜105億円まで拡大(同28億円の赤字)。その後は経営の健全化により、22年2月期に売上高467億〜490億円で営業利益1億〜13億円の黒字を確保する計画だ。

 6〜8月の販管費は「新型コロナによる損失分(13億円)を除けば、前年同期と比べて19億円削減できた」。また、8月末時点の在庫額(小売価格ベース)は2020年2月末時点から8億7000万円分削減して123億円とした。同日に発表した21年2月期通期の業績見通しでは、売上高が380億円、営業損益が85億円の赤字で、「再生プラン」の想定内に収まると予想する。

 下期(9月〜)は8月末在庫(123億円)を100億円まで圧縮する計画で、前シーズンの秋冬物や春夏物も、定番品を中心に持ち越し販売する。販管費は店舗撤退や宣伝広告費の削減により前年同期比19億円の削減を目指す。

 店舗整理については、不採算店の多いセレクトショップの「ラブレス」や百貨店向け婦人服の「キャスト」など通期で計160店舗を閉鎖する。「店舗の精査をしていく中で、年間の売上高が(人件費などの)固定費を吸収できないまま存続していたような売り場も散見された。これは売上高を追い求めすぎる会社の方針や、取引先との付き合いのようなしがらみがあったからだ。ここでも聖域なき改革を進めていく必要がある」。これに伴い、販売スタッフの契約社員約500人を解雇する。

 「再生プラン」の次のステップである、ブランド力の向上にも力を入れる。上期中にはアウトレット店舗を9店舗出店した。「処分品はアウトレットに集め、ブランドの店舗は正価品を売る場として機能を際立たせる。同時にセール品のプラットフォームと化しているECの位置づけも変えていく」。

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