インスタグラムを筆頭とするSNSの普及で、「憧れの人」「なりたい人」が細分化している。今は、誰もが、それぞれの「なりたい人」を持っている時代。ならば、そんな身の回りの人を改めて知るべきではないか?そこで「WWD JAPAN.com」は、インフルエンサーをはじめとするソーシャルリレーション マーケティング事業を手がけるリデルの協力を得て、身近な新世代インフルエンサー名鑑を作成する。
今回は、インスタグラムのストーリーズ機能だけで驚くべき動画を作成してカフェやフード&ドリンクなどを紹介するストーリーズクリエイター、せとりょうこと瀬戸口諒。フォロワーからは、ストーリーズ投稿のきっかけやデザインのインスピレーション源など作品への興味・関心が高かった。本人のパーソナルな背景も含めた質問と回答を一挙に公開する(2020年10月12日号の「WWDジャパン」には、彼が現在に至るまでの経緯などを聞いたインタビュー記事を掲載します)。
制作の背景
Q.1:何故、ここまでのクオリティのストーリーズを作ろうと思ったのですか?
A.1:大学4年の進級前、ニュージーランドに1年間留学しました。当時はカフェ巡りが好きで、現地のカフェ情報をなんらかの形で発信しようと考えていた時、ストーリーズでもクリエイティブができることに気づきました。作品をツイッターで発信すると大きな反響があり、見てくれる方も増えたので、「もっと高度なクリエイティブを見せたい!」とクオリティがだんだん上がっていきました。
Q.2:ストーリーズを作る時のアイデアはどのように思いつくの?
A.2:雑誌の構図や電車の広告などを見る機会を増やして、デザインの引き出しを増やしている部分が大きいと思います。それをアウトプットする練習を続けていると、自然に構図がひらめく瞬間があります。
Q.3:デザインで参考にしている本や雑誌はありますか?
A.3:本はありませんが、雑誌のレイアウトはよく見ます。後は電車に乗っている時に広告を見ながら「なんでこういう構図なんだろう?」と考えています。それらがデザインの引き出しとして作品に反映される部分は大きいです。
Q.4:デザインする時のラフはどうしていますか?
A.4:ラフはありません。実際にストーリーズを触りながら構図を考えています。自分の納得する構図ができたら、そのまま投稿します。ストーリーズ画面を開いたままだと、たまに強制終了することがあるので、そのときはまた作り直しです(笑)。
Q.5:ストーリーズを生かすコツや、作るのにかかる時間が知りたいです。
A.5:生かすコツは「●(丸)」や「■(四角)」、「▲(三角)」といった記号を使用したり、GIFを活用したりすることです。例えばカフェの作品でいうと「●」の記号にテキスト入力で出てくるコーヒーの記号を重ねてコンテンツのタイトルを作っています。作るのにかかる時間は作品にもよりますが、構図を考える時間と作成する時間を合わせると30分〜1時間ほど。たまにそれ以上かかる時もあります。
Q.6:ストーリーズの編集は専用のペン等を使っていますか?それとも指でやっていますか?
A.6:専用のペンは持っておらず、全て指でやっています。ペン機能を使う時はなかなか思うように書けないので、消しては書いてを繰り返しています。使用している機種はiPhone7です。
Q.7:自信作はありますか?
A.7:自信作は富士山のストーリーズです。山の表面に影をつけることでより立体的に見せているのがポイントです。作品のハウツー動画も反響があり、リールス投稿で150万回再生されました!
Q.8:一番苦労した作品は?
A.8:苦労した作品はclaquepot(クラックポット)さんの「pointless」という曲のリリックビデオです。曲とストーリーズ動画の歌詞を合わせるのにかなり時間がかかりました(笑)。
過去・現在・未来について
Q.9:ストーリーズ作品を始める前は他の会社で働いていたんですか?
A.9:いえ、始める前は普通の大学生でした。工学部でデザインの学校などには行ってませんでした。
Q.10:デザインや色彩系の資格は持っていますか?
A.10:何も持っていません。全くの素人からデザインを始めました。
Q.11:好きな色はありますか?
A.11:モノトーンです!
Q.12:お仕事はなにをされていますか?
A.12:クリエイティブに携わる仕事をしています。
Q.13:当初からデザインやコンセプトは変化していますか?
A.13:作り始めた当初はテキストだけの作品でしたが、今ではペン機能やGIF機能を活用した作品など、シンプルなものから徐々に動きのあるクリエイティブに変化していると思います。
Q.14:将来の夢は何ですか?
A.14:将来の夢はまだありませんが、上記で紹介したリリックビデオのような新しいストーリーズの活用をもっと開拓して、発信したいと思っています。