オンワードホールディングス(HD)は2021年2月期下期(9月〜2月)から、自社EC「オンワード・クローゼット(ONWARD CROSSET)」と連動したオムニチャネル型店舗の出店を開始する。9日に開かれた同社の2020年3〜8月期決算会見で保元道宣社長が明らかにした。
店名は自社ECと同じ「オンワードクローゼット」を予定する。自社ECのように複数のブランドを扱うため、ブランド単独店に比べて大きな面積になる。出店立地はコロナ下のニューノーマルで注目を集める郊外。具体的な出店先や規模は明らかにしていないが、「アクセスのいい郊外の大型立地」(同社)で、主力の百貨店ブランドのほか、開発を強化しているD2Cブランドまで幅広くそろえる。21年2月期中に出店を開始し、22年2月期中には数10店舗体制を築く。
同社は前期・今期合わせて国内外1400店舗を閉鎖する構造改革を行なった。下期は「反転攻勢に移るフェーズ」(保元社長)と捉えており、オムニチャネル型店舗の「オンワードクローゼット」はその旗印となる。
20年3〜8月期においては、ECの割合は35%となり、百貨店販路(30%)を初めて上回るなど、同社におけるECの存在感は高まっている。オムニチャネル型店舗の出店は、ECで蓄積した会員情報や商品情報などをリアル店舗とも結びつけることで、シナジーを生み出す狙いがある。保元社長は「『オンワードクローゼット』と連動するショールミングストア機能も含んだ、新しい形のリアル店舗を作っていきたい」と話す。