アパレルの大量閉店が続いている。百貨店や総合スーパー(GMS)、ショッピングセンター(SC)を主販路にする総合アパレル大手5社(オンワードホールディングス、ワールド、TSIホールディングス、三陽商会、レナウン)の2020年度の退店は、3100店舗(売り場)以上に達しそうだ。数年来の販売不振に新型コロナウイルスの打撃を受けて、大規模な構造改革を迫られた。短期間でこれだけの店舗が閉まることは前代未聞で、百貨店やSCも売り場再編が避けられない。
オンワード700店舗、ワールド358店舗……
総合アパレル5社が現在までに発表した店舗撤退は、オンワードHDが700店舗(21年2月期)、ワールドが358店舗(同3月期)、TSIが210店舗(同2月期)、三陽商会が160店舗(同2月期)、主要事業を小泉グループに譲渡したレナウン(5月に経営破綻)が1700店舗前後(20年12月期)。海外も一部含まれるが、大部分は国内の店舗だ。
このうち半分以上を占めるレナウンは19年12月期時点で約2000店舗あったが、大半が消えることなる。小泉グループが引き継ぐのは「アクアスキュータム(AQUASCUTUM)」80店舗、「ダーバン(D'URBAN)」70店舗、「エレメントオブシンプルライフ(ELEMENT OF SIMPLE LIFE)」150店舗くらいの見通し。百貨店で販売していた婦人服「エンスウィート(ENSUITE)」や、SCで展開してきた「アーノルドパーマータイムレス(ARNOLD PALMER TIMEESS)」は引き受け先が現れず、夏から順次閉鎖している。
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