シャネル(CHANEL)は、イタリアの高級シューズメーカーのバリン(BALLIN)および皮革製造会社(タンナー)のコンセリア ガイエラ ジョバンニ(CONCERIA GAIERA GIOVANNI)を買収した。同社は、新型コロナウイルスのパンデミックによる影響で打撃を受けたパートナー企業を買収する形で救済し、サプライチェーンの強化を図る。
シャネルは、「シャネルは両社にとって付き合いの長い取引先だ。信頼できるパートナーと提携し、長期的な事業の継続を望む両社と、その支援を願うシャネルの動きが合致して今回の買収に至った。彼らはシャネルの事業においてもラグジュアリー業界においても必要不可欠な存在だ」とコメントした。
ウェブサイトの情報によると、1945年に創業したバリンはベネチア郊外で200人の従業員のもと、年間25万足以上の靴を製造している。
一方でコンセリア ガイエラ ジョバンニは1946年に創業し、ミラノ近郊でゴート、ラム、カーフを専門にしたレザーの製造を行なっている。同社は90年代からファッションブランドと提携し、2018年にはメタルフリーのラムスキンを開発するなど近年はサステナビリティにも注力している。
なお、シャネルが子会社のパラフェクション(PARAFFECTION)を通じて管理している刺しゅうのメゾン ルサージュ(MAISON LESAGE)や羽根細工や花細工のルマリエ(LEMARIE)といった専門アトリエ同様、両社は引き続き外部の顧客に向けた事業も継続する。
またシャネルは、ツイード生地に使用する糸を製造しているヴィマール 1991(VIMAR 1991)のクリエイション、開発、製造部門も7月に買収している。