アイコニックなムートンブーツで知られる「アグ(UGG)」は、靴通販サイト「ザッポス(ZAPPOS)」の障害者向けに機能性とファッション性の高いアイテムを扱う「ザッポス アダプティブ(ZAPPOS ADAPTIVE)」と提携してカプセルコレクションを発表した。“アグ・ユニバーサル(Ugg Universal)”と題した同コレクションは定番のムートンブーツとレースアップスタイルの“ニューメル(NEUMEL)”ブーツの2つのデザイン展開で、障害のある人や義足、杖を利用する人がより簡単に脱ぎ履きできるよう設計されている。ブーツの側面には大きなファスナーをつけ、靴を引っ張りやすくするようプルタブも備えた。さらに結ぶ必要のない伸縮性のある靴ひもを採用した。
メンズ、ウィメンズ、キッズをそろえ、色は栗色と黒、グレーから選べる。価格は130〜170ドル(約1万3000〜1万7000円)で、「ザッポス」で2022年まで独占販売する。商品開発は「アグ」と「ザッポス アダプティブ」が共に障害のある消費者へのフォーカスグループインタビュー(定性調査)を通してマーケティングを行ったという。「ザッポス」のダナ・ズンボ(Dana Zumbo)事業開発マネジャーは、「『アグ』のブランド史上初めてとなるユニバーサルデザインに携われたことをうれしく思う。このパートナーシップは包括性の向上を推進し、ファッション業界内の不平等を減らすことに大きく貢献している」とコメントした。
「ザッポス アダプティブ」は7月に、障害のあるアメリカ人法の制定30周年に合わせて、サイズの異なる靴の購入や一足のみの購入を可能にするプログラムを開始した。切断手術を受けた人や義足などの医療機器を利用する人をはじめとするより多くの消費者のニーズに応えるため、「ナイキ(NIKE)」や「コンバース(CONVERSE)」「ニューバランス(NEW BALANCE)」などとパートナーを組んだ。さらに9月にはニューヨーク・ファッション・ウイークでファッション業界における障害者の機会均等に取り組む非営利団体、ランウエイ・オブ・ドリームズ・ファウンデーション(Runway of Dreams Foundation)が運営するファッションショーに参加した。