香港を拠点とする世界最大の繊維商社リー&フォン(LI & FUNG)は、新たなCEOとしてジョセフ・フィ(Joseph Phi)=リー&フォン グループプレジデントを任命した。フィ新CEOは、1999年から同社に務めるベテランで、主に物流部門を率いてきた。スペンサー・フォン(Spencer Fung)前CEOは、叔父で親会社フォングループ(Fung Group)を率いるウィリアム・フォン(William Fung)氏の後任としてエグゼクティブ・チェアマンに就任する。同社によると、スペンサー・フォン新会長は今後、資本提携を行ったシンガポールの物流大手GLPとEC大手のJDドットコムとの共同プロジェクトに力を入れていくという。
1973年生まれのスペンサー・フォン前CEOはフォン一族の出身で、創業者から数えて4世代目。2014年にCEOに就任していた。リー&フォンはこの数年、猛烈な勢いでデジタル改革と事業ポートフォリオの組み換えを進めていた。だが今年3月、GLPとともに約72億香港ドル(約936億円)を投じ、TOB(株式の公開買付)による香港証券取引からの上場廃止を発表していた。6月には1億ドル(約105億円)の出資を軸にしたJDドットコムとの資本提携も発表している。