ファッション
連載 齊藤孝浩の業界のミカタ

社員全員経営をするための4つの数字 齊藤孝浩のファッション業界のミカタVol.18

有料会員限定記事

 企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回はコロナ禍を乗り越えるためにチェックすべき数字を解説します。(この記事はWWDジャパン2020年10月12日号からの抜粋です)

 コロナ禍で多くの企業が単月の売上高が6割減ったり、多額の損失を計上したりしていますが、どこの数字を見ればその企業の体力を測ることができるのでしょうか?今回は、パルグループホールディングス(以下、パル)を具体例に解説しますが、自分が経営する、または自分が勤めている会社のことを考えながら、読んでもらえたらと思います。

 まず、見るべき数字の1つ目は「損益分岐点売上高」です。どれだけ売上高が減ると利益がゼロになるのか、売上高が現状から何%減になったらヤバいのかということが分かる数字です。計算式は「固定費÷(1-変動費率)」です。販売管理費(販管費)はほぼ固定費、売上原価を変動費とみなして計算します。

 会社を運営するには家賃や人件費などの販管費がかかりますし、もちろん商品の原価もかかります。売上高からそうした費用を引いて残った金額がいわゆる営業利益なのですが、これが出なくなるポイント、つまり、黒字と赤字の境目を知っておく必要があるわけです。営業利益を10%以上出している優秀な企業は分岐点が低くなりますが、大概の企業は85%くらいだと思っています。つまり売上高予算の15%割ったら営業赤字になるということです。

この続きを読むには…
残り2799⽂字, 画像4枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。