松屋の2020年3〜8月期は、最終損益が44億円の赤字(前年同期は2億6700万円の黒字)だった。同社は売上高の9割以上を旗艦店の銀座本店が占めるため、4〜5月にかけての臨時休業とその後の都心への外出控え、訪日客の急減が他の百貨店よりも重くのしかかった。
売上高は前年同期比54.1%減の205億円だった。銀座本店の4〜5月の完全休業が59日にも及んだ。営業再開後の6〜8月も銀座本店の売上高は32%減、免税売上高を除いても17%減と低迷が長引いた。営業再開後は富裕層のリベンジ消費によってハンドバッグの売上高が10%増、自宅の環境に整えるイエナカ消費として家具が54%増と部分的に好調な分野はあったものの、効果は限定的に終わった。東京都以外の広域からの来店、年代別では60歳以上のシニア客の来店が減ったことが響いている。
通期(21年2月期)の業績予想は、売上高が前期比43.8%減の505億円、純損益が65億円の赤字(前期は8億5600万円の黒字)。販管費の削減を図るとともに、新常態に対応した商品構成の見直し、オンライン接客の導入などに取り組む。