アディダス(ADIDAS)は、傘下ブランド「リーボック(REEBOK)」の売却を検討していると複数の海外メディアが10月22日に報じた。情報筋によれば、2021年3月に開催される投資家向けの説明会で発表するのではないかという。アディダスの広報担当者はコメントを差し控えるとした。
アディダスは06年に「リーボック」を31億ユーロ(約3813億円)で買収したものの、同ブランドの業績は長らく低迷していた。16年に導入した強化戦略が奏功し、18年にようやく黒字化。19年は成長軌道に乗っていたが、20年は新型コロナウイルスの影響で店舗の休業を余儀なくされたことから欧米を中心に売り上げが激減し、「リーボック」の1~6月期の売上高は前年同期比27.2%減の6億ユーロ(約738億円)となった。なお、アディダス全体では同26.8%減の83億3200万ユーロ(約1兆248億円)だった。市場は買収のうわさを好感し、アディダスの株価は一時、前日比3.2%高の283.70ユーロ(約3万4895円)をつけた。
本件について最初に報じたドイツの「マネージャー・マガツィン(Manager Magazin)」誌によれば、売却先の候補として「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「ヴァンズ(VANS)」などを擁するVFコープ(VF CORP)や、「フィラ(FILA)」を擁するアンタ・インターナショナル・グループ・ホールディングス(ANTA INTERNATIONAL GROUP HOLDINGS)が挙がっているという。