ファッション

「ブライトリング」がブロックチェーン技術を使用したデジタル鑑定書サービスを開始

 スイスの時計ブランド「ブライトリング(BREITLING)」は、ブロックチェーン技術を使用してデジタル鑑定書を発行するサービスを開始した。サービス導入の背景には、保証機関の延長や二次流通市場への関与の強化、サービスの提供の拡充などを通じて顧客との関係を深めようとする高級時計ブランドの動きがある。

 デジタル鑑定書はすべての新品に付属し、所有者の証明と修理時の進捗確認が可能。将来的には盗難や紛失時の保険への加入も可能となる。同サービスは“アリアンヌプロトコル”と呼ばれる仕組みを使用し、デンツー トラッキング(DENTSU TRACKING)が提供するデジタル証明書プログラムと連携する。
デジタル鑑定書を発行することで、紙の書類の削減や売買の際に鑑定書も移行することが可能となる。また、実装されたチャット機能を使って所有者は匿名で「ブライトリング」とコミュニケーションをとることができるという。

 アントニオ・カリエーロ(Antonio Carriero)チーフ・デジタル・テクノロジー・オフィサーは、この動きを「所有する体験全体を通して、個々のニーズに合わせた提案を可能にする業界の変化」と表現し、「顧客との関わりはわれわれの活動すべての中心であり、今後も安全性とプライバシーを尊重しつつ、『ブライトリング』の所有者にさらなるサービスを提供していくことは当然のことだ」と話す。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

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